転職までとりあえず派遣はアリ？それとも不利？結論とつなぎとして派遣で働くメリット12選

「転職までとりあえず派遣はアリ？それとも不利？」

「転職までとりあえず派遣で働くメリットは？注意点はあるの？」

「正社員として働きたいけれど、今すぐは難しい…」と感じていませんか？

キャリアに迷いがあるときや、少し立ち止まって考えたいときに「転職までとりあえず派遣」という選択肢は、多くの人にとって現実的なステップになります。

ただ、メリットがある一方で、思わぬ落とし穴も潜んでいます。

この記事では、派遣を活用しながら転職活動を進める際のポイントや注意点を、具体的な事例も交えて丁寧に解説しています。

【結論】転職までとりあえず派遣はアリ？それとも不利？

「とりあえず派遣で働いてみようかな」──そんなふうに考えている方にとって、この選択が“アリ”か“不利”かは、とても気になるポイントですよね。

結論から言えば、派遣という働き方は、使い方次第で大いに役立つ手段になります。特に、やりたい仕事がまだはっきりしていなかったり、いったん収入を確保しながら次のステップを探したいという人にとっては、有効な選択肢になり得ます。

実際、派遣の仕事はスタートまでが早く、比較的柔軟に働ける案件も多めです。「生活費を稼ぎながら、自分に合った仕事を考えたい」といったケースではとても助かります。さらに、いろんな職場を経験する中で、自分が働きやすい環境や向いている業種が見えてくることも。

ただし、注意点も押さえておきたいところです。派遣は契約で動く働き方なので、期間中に途中退職がしづらい場合があります。転職活動を並行して進めるなら、面接の調整や休みの取り方に工夫が必要になります。

とはいえ、目的を持って派遣を選ぶなら、それは「とりあえず」ではなく「前向きな準備期間」になります。ただ空白を埋めるのではなく、自分の未来につながる経験を得る時間として活かす。そう考えると、派遣は思っている以上に意味のある選択かもしれません。

焦らず、ひとつずつ自分のペースで進んでいけば大丈夫です。

転職までとりあえず派遣としてつなぎで働くメリット12選

転職までとりあえず派遣としてつなぎで働く選択には、思っている以上に多くのメリットがあります。

単なる“間に合わせ”ではなく、自分に合った働き方や職場を探る期間として有効に使えることも。

派遣ならではの柔軟さや働きやすさを活かすことで、転職活動と両立しながら前向きにスキルや経験を積むことが可能です。

ここでは、転職までとりあえず派遣としてつなぎで働くメリット12選をご紹介します。

【メリット１】短期間で収入を得られる

転職活動の合間に、とりあえず派遣で働く──この選択は、収入面の不安を解消するうえでとても心強い方法です。特に、「今すぐお金が必要だけど、正社員はじっくり選びたい」と考えている人にとっては、現実的で無理のない選択肢になります。

派遣の仕事は、即日勤務が可能な案件も多く、登録から就業までが早いのが特徴です。しかも、アルバイトよりも時給が高いことが多く（出典：公開求人情報の収集・分析に関する調査研究事業）、たとえば時給1,200円で1日8時間働けば、1日で約9,600円。月に4週勤務すれば、ざっくり19万円前後の収入が見込めます。生活費や転職活動にかかる交通費などを考えても、しっかりカバーできる金額です。

それに、契約期間があらかじめ決まっているので、転職活動の予定とも合わせやすいのがありがたいところ。平日の一部に面接を入れたい場合なども、調整しやすくなります。

収入をすぐに確保したいとき、派遣という働き方はかなり頼れる存在です。ただ、契約満了後の次の仕事探しや、福利厚生の条件などはあらかじめチェックしておくと安心ですね。焦らずに、でも確実に前へ進むための手段として、十分活用できます。

【メリット２】自分の適性を見極められる

とりあえず派遣で働いてみる──その選択が、思いがけず自分に向いている仕事を見つけるきっかけになることもあります。転職活動をしながら「自分は何が得意なんだろう」と迷っているなら、派遣という働き方は試してみる価値があります。

派遣の魅力のひとつは、業種や職種の幅がとても広いこと。事務職や接客業、軽作業、IT系まで、さまざまな現場に入ることができます。たとえば、これまで接客一筋だった人が事務の仕事を経験して、「意外とこっちのほうが合ってるかも」と感じるケースは実際によくあります。働いてみないとわからない“自分の一面”に気づけるのが、派遣の良さなんです。

さらに、職場の雰囲気や人間関係をリアルに体感できるのも大きなポイントです。求人票や企業HPではわからない“現場の空気感”を肌で感じられるのは、やはり実際に働いてみてこそ。自分に合う環境を見つける手がかりになります。

「向いている仕事がわからない」そんなモヤモヤを抱えているなら、派遣で経験を重ねながら見つけていくという方法もアリです。急いで正社員になるよりも、自分をよく知ったうえで選ぶほうが、きっと納得のいく転職ができるはずです。

【メリット３】働きながら転職活動ができる

とりあえず派遣で働く──このスタイルは、転職活動中の身にとって大きな味方になります。生活費を確保しつつ、就職先をじっくり探したいという人には、特に向いている働き方かもしれません。

派遣はフルタイムでも残業が少なめな仕事が多く、時間のコントロールがしやすいという特徴があります。そのため、平日の夕方や土日を転職活動にあてやすいんです。たとえば、派遣で働きながら転職エージェントに相談して、スキマ時間で企業研究を進めるという人も少なくありません。収入面の心配が減ることで、精神的にも落ち着いて動けるのは大きなメリットですね。

もちろん、すべての職場が転職活動と両立しやすいわけではありません。勤務条件や業務量によっては時間が取りにくいこともあるので、事前に「転職活動中であること」を派遣会社に伝えておくのがポイントです。理解ある担当者にサポートしてもらえれば、より現実的なスケジュールで動けるはずです。

働きながらでも、自分に合う仕事をじっくり選びたい。そんなとき、派遣という選択肢は、思った以上に頼れる存在になってくれます。焦らず、自分のペースで次のキャリアを見つけていきましょう。

【メリット４】正社員登用のチャンスがある

「とりあえず派遣で働く」のは、その場しのぎのように感じるかもしれません。でも実は、派遣から正社員になる道が開けることも意外とあるんです。これ、知らないともったいない選択肢のひとつです。

企業によっては、派遣社員の働きぶりを見て「この人にうちで長く働いてもらいたい」と感じた場合、正社員として声がかかることがあります。いきなり面接でアピールするより、実際の仕事を通して評価されるので、肩肘張らずにチャンスを掴みやすいんですよね。

たとえば、責任ある仕事を丁寧にこなし、チームとも円滑にコミュニケーションが取れていれば、「このまま正社員で働いてくれませんか？」と打診されることも。実際、派遣先でそのまま登用された方は珍しくありません（出典：正社員登用事例にみる雇用の多元化と転換の現状）。派遣会社によっては、正社員登用を前提とした紹介予定派遣も扱っていますし、「登用実績あり」の職場を狙うのもアリです。

正社員になる道はひとつではありません。正面からガツガツ攻めなくても、日々の積み重ねで評価されることもある。そんなふうに、派遣を“足がかり”として前向きに使ってみるのも、賢いやり方のひとつです。焦らず、チャンスを引き寄せていきましょう。

【メリット５】職場の雰囲気を事前に知れる

働くうえで、「職場の空気が自分に合っているかどうか」って、案外大きなポイントですよね。とりあえず派遣で働くと、そうした雰囲気を実際に体感しながら判断できるのが、大きなメリットのひとつです。

求人票や面接では、会社の“中の様子”までは正直わかりません。たとえば「風通しがいい職場」と書かれていても、いざ入社してみるとピリピリした空気だった…なんて話も珍しくありません。でも、派遣として現場で働くことで、上司との距離感やチームの雰囲気、業務の進め方などがリアルに見えてきます。

「実際に働いてみたら、想像以上に人間関係が良くて、ここで正社員を目指したくなった」なんて前向きな変化が生まれることもありますし、逆に「この職場は合わないかも」と気づけるだけでも収穫です。契約が終了すればスムーズに環境を変えられる柔軟さも、派遣ならではですよね。

職場選びに迷っているなら、まずは派遣で“体感”してみるのもひとつの方法です。実際に働く中で、自分にしっくりくる職場が見つかることもありますし、無理のない形で転職活動を進めたい人にとって、非常に心強い選択肢になります。

【メリット６】さまざまな職場を経験できる

とりあえず派遣で働いてみる──そんな選択をすることで、実はさまざまな職場に触れるチャンスが生まれます。いろんな現場で実際に働いてみないと見えてこないことって、意外と多いものです。

たとえば、同じ業種でも職場ごとに雰囲気は大きく違います。ある職場では和気あいあいとしたチームが心地よく、別の場所では静かに黙々と作業するスタイルが自分に合っていると気づくこともあります。こうした発見は、求人情報や面接だけではなかなか得られないものです。

また、異なる企業文化や働き方にふれることで、「こういう環境が自分には合っているんだな」と実感を持って選べるようになります。それに、初めての業界や職種に挑戦しやすいのも、派遣のいいところ。少しずつ経験を積むうちに、自分の強みや向いている方向性が見えてくるはずです。

たくさんの職場を見られるというのは、派遣ならではのメリットです。どんな場所で、どんなふうに働きたいのか。迷っているなら、まずは派遣で「体験しながら探す」という方法も、きっとあなたの力になってくれるでしょう。

【メリット７】未経験の職種に挑戦しやすい

「ちょっと気になるけれど、未経験だから不安…」そう感じて一歩踏み出せない仕事、ありませんか？そんな時、派遣という働き方は、意外にもそのハードルをぐっと下げてくれる存在です。

正社員募集だと、どうしても“経験者優遇”の空気がありますよね。でも派遣の場合、「やってみたい」という意欲がしっかり伝われば、未経験でも採用されるケースは多くあります。特に20代では、「これから覚えてもらえればOK」と受け入れてくれる企業も増えています（出典：人材確保に「効く」事例集）。

実際、まったくの未経験で事務職に挑戦した方が、「最初は不安だったけれど、やってみたら楽しくて、気づけば正社員登用の話まで進んでいた」という例も。最近では、学び直しやスキル習得の機会も豊富なので、“働きながら成長する”というスタイルも無理なく叶います。

未経験だからとあきらめるのではなく、「とりあえず派遣」で軽やかに一歩踏み出してみる。その経験が、思わぬ転機になることもあります。向いているかどうかは、やってみなければわかりません。だからこそ、挑戦しやすい環境を活かしてみてください。

【メリット８】仕事のブランクを埋められる

転職を考えていても、ブランクがあることが気になって一歩踏み出せない。そんなふうに感じている人は、実は少なくありません。そんなときに派遣という働き方は、静かに背中を押してくれる存在になります。

派遣の仕事は、すぐに始められる案件が多く、期間も比較的柔軟。そのため、仕事から離れていた期間があっても「まずは短期間から」と動き出しやすいんです（出典：若年者の離職状況と離職後のキャリア形成）。働きながら少しずつ感覚を取り戻していくことで、自信が自然と戻ってくる人も多いです。

たとえば、育児がひと段落したタイミングで派遣として復職し、その後、正社員として採用されたというケースもあります。最近では、ビジネスマナーやスキル研修を無料で受けられる派遣会社も増えていて、「久しぶりの職場復帰が不安」という方にも、無理なく始めやすい環境が整っています。

ブランクがあることをマイナスに感じてしまう前に、まずは一歩。派遣という選択肢を通じて、肩の力を抜きながら、社会との接点を少しずつ取り戻していく。それだけで、次のキャリアにつながる道は、きっと見えてくるはずです。

【メリット９】希望する勤務地で働ける

「通勤時間が短いほうがいい」「家の近くで働けたら、気持ちにも余裕が持てそう」──そんな希望を叶えやすいのが、派遣という働き方です。勤務地の選択肢が豊富で、自分のペースに合った働き方を実現しやすいんですよね。

派遣会社の求人は全国に広がっていて、地域に特化した案件を取り扱っているところも少なくありません。たとえば、「地元から離れたくない」「実家の近くで働きたい」といった相談にも親身になって対応してくれるケースが多くあります。もちろん、駅チカ、バス通勤可、徒歩圏内…など、こだわりポイントを細かく指定できるのも特徴です。

実際に、育児中の方が「保育園の送迎に支障が出ない距離で働きたい」と伝えたところ、家から15分以内の職場を紹介されて、安心して仕事を始められたという話もあります。こうしたサポートは、派遣ならではのひとつの強みと言えるでしょう。

自分に合った場所で、無理なく働く。そんな“ちょうどいい働き方”を叶えたいなら、派遣という選択肢を前向きに考えてみるのも、いいスタートになるかもしれません。

【メリット10】新しい人脈を広げられる

「転職までとりあえず派遣」と考えているなら、それを“人との出会いを広げる期間”として使ってみるのも一つの方法です。派遣先では、普段出会えないような人たちと関われるチャンスが想像以上に多くあります。

たとえば、職場では社員だけでなく、別の部署の派遣スタッフや取引先の方と話す機会もあるでしょう。そんなちょっとした会話から、業界のリアルな話が聞けたり、自分が知らなかった働き方を知るきっかけになることもあります。

実際、「派遣先の上司から、別の会社を紹介してもらって転職が決まった」という話も珍しくありません（出典：転職結果に及ぼすネットワークの効果）。中には、何気なく始まったやりとりがご縁となって、将来のキャリアにつながるケースもあります。人との関係は、きっかけさえあれば大きく広がるものなんです。

だからこそ、ただ業務をこなすだけではもったいない。自分から挨拶をしたり、少し話しかけてみたりするだけでも、人脈は自然と広がっていきます。派遣での毎日を、人とのつながりを育てる時間として捉えると、転職活動にも大きな後押しになりますよ。

【メリット11】福利厚生や有給休暇も利用できる

派遣という働き方でも、きちんと福利厚生や有給休暇が利用できる――これは、多くの人が意外に感じるかもしれません。でも、条件を満たせば、正社員とほぼ同じような制度を受けられるのです。

社会保険や厚生年金、雇用保険といった基本的な保障はもちろん、派遣会社によっては、健康診断、キャリア研修、福利サービスの優待など、法定外のサポートが充実しているところもあります（出典：同一労働同一賃金ガイドライン）。「派遣だから」と不安に感じる必要はありません。

実際、6ヶ月以上継続して働き、出勤率が8割を超えていれば、年10日の有給休暇も法律（労働基準法第39条）でしっかり保障されています（出典：年５日の年次有給休暇の確実な取得）。転職活動中の面接や説明会、自己研鑽の時間を確保するのにも役立ちますし、「休むこと」に遠慮しすぎる必要はありません。

暮らしの安定を守りながら、次のキャリアに向けてじっくり準備ができる。そんな柔軟な働き方が選べるのも、派遣という選択肢の魅力のひとつだと感じます。大切なのは、“使える制度はちゃんと使う”という意識かもしれませんね。

【メリット12】残業が少なくプライベートが充実する

派遣で働く一番の魅力は、「仕事を終えた後の時間がちゃんとある」ということかもしれません。残業が少ない職場を選びやすいのは、派遣ならではの特徴です。

契約時にあらかじめ勤務時間が決められているため、基本的には定時退社が前提（出典：労働者派遣事業を適正に実施するために）。実際に「毎日19時には帰宅できて、夕食をゆっくり取れるようになった」という話も少なくありません。以前は帰宅が21時過ぎだった方が、派遣に切り替えてから習い事を再開した、なんてケースもあります。

もちろん、派遣先によって多少の残業が発生することもありますが、その点も事前に確認できるのが安心できるポイント。契約書に残業の有無や時間数が明記されているため、自分の生活リズムに合った働き方を選ぶことができます。

心に余裕が生まれ、やりたいことに時間を使える毎日。そんな働き方を求めるなら、派遣はひとつの現実的な選択肢です。転職活動の合間に、自分らしい時間を取り戻したい人にこそ、ぜひ検討してみてほしい働き方です。

転職までとりあえず派遣としてつなぎで働くときの注意点

転職までのつなぎとして派遣を考えている方にとって、柔軟に働ける点は確かに魅力です。

ただし、思わぬ落とし穴もあるため、事前に「転職までとりあえず派遣としてつなぎで働くときの注意点」を理解しておくことが大切です。

たとえば、勤務中のスケジュール調整が難しかったり、派遣先との関係で気を使う場面が出てくることも。

ここでは、転職までとりあえず派遣としてつなぎで働くときの注意点を解説していきます。

【注意点１】面接のスケジュール調整が難しい

派遣で働きながらの転職活動で、最もネックになりやすいのが「面接の時間確保」です。勤務時間があらかじめ決まっているため、平日に設定される面接とどうしてもぶつかりがちになります。

たとえば「この日、14時に面接を入れてもいいですか？」と急に言われても、派遣の現場では簡単に休みを取れるとは限りません。有休は使えても、職場の雰囲気や人手の状況によっては言い出しにくいこともあるでしょう。実際に、「チャンスだと思った求人に応募を見送った」といったケースも珍しくありません。

とはいえ、あらかじめ転職活動を視野に入れて勤務時間を相談できる派遣先を選んでおけば、こうした不安はかなり減らせます。派遣会社の担当者に事前に伝えておくのも一つの方法です。

転職活動と派遣の仕事を両立させるなら、“働きやすさ”だけでなく、“休みやすさ”も意識して職場を選ぶことが、思った以上に大きなポイントになります。焦らず、でも着実に動ける環境を整えることが、成功への近道です。

【注意点２】派遣先に転職活動を伝えるか迷う

派遣社員として働きながら転職活動を始めると、「今の職場に伝えるべきかどうか」で悩む方は多いはずです。率直に言えば、答えは一つではなく、状況に応じて判断するのが現実的です。

黙って進めたほうが波風は立たないと思うかもしれません。しかし、たびたび有給を取ったり、急な早退が増えたりすると、不自然に感じられてしまうこともあります。一方で、職場との信頼関係がしっかりしていれば、「実は転職活動を始めています」と打ち明けたことで、面接日の相談に応じてもらえたという声も実際にあります。

もちろん、すべての職場が柔軟に対応してくれるとは限りません。だからこそ、まずは派遣会社の担当者に事情を話してみるのが安心です。そのうえで、職場の雰囲気や上司との関係性を見ながら、伝えるかどうかを慎重に見極めるといいでしょう。

焦らず丁寧に進めることで、転職活動も今の仕事も、どちらも無理なく続けていけるはずです。

【注意点３】派遣中に転職活動で休む理由が必要

派遣社員として働いていると、転職活動の面接に足を運ぶタイミングがどうしても平日になってしまうことが多くなります。そのため、面接のたびに仕事を休む必要が出てくるのが悩ましいところです。「また私用で休むの？」と職場の目が気になる方も少なくないでしょう。

実際には、「私用のため」と伝えるだけで問題ないケースが大半です（出典：労働基準）。ただ、回数が増えてくると、周囲に違和感を与えてしまうこともあります。そんなときに頼りになるのが派遣会社の担当者です。あらかじめ転職活動をしている旨を伝えておけば、面接の予定に合わせて就業先とのスケジュール調整を手伝ってくれることもあります。

気まずさを感じないためにも、無理なく続けられる範囲で転職活動の予定を組み、派遣先との関係を大切にしながら前向きに次のステップを目指すのがポイントです。

【注意点４】正社員に必要なスキルが身につきにくい

とりあえず派遣で働き始めると、日々の業務に追われながら「このままで正社員になれるのだろうか」と不安を感じる方も多いようです。というのも、派遣社員としての仕事は、あらかじめ決められた範囲の業務をこなすことが中心で、戦略的な判断を伴うような経験や、マネジメントの機会にはあまり恵まれません。

たとえば、正社員が担うようなプロジェクトの主導や、部下の育成、社内調整といった業務に派遣が関わることは少なく、スキルアップにつながる場面が限られてしまうのが実情です。

とはいえ、それは裏を返せば「今できないことが明確になる」ということでもあります。派遣の現場で見つけた自分の課題を意識しながら、足りない部分を資格や副業、勉強会などで補えば、転職活動にも大きく役立ちます。

派遣期間を単なる“つなぎ”にせず、成長のきっかけに変える意識が大切です。

【注意点５】派遣期間が長引き転職意欲が低下する

「とりあえず派遣で働いてみよう」と始めたはずが、いつの間にか数カ月、あるいは1年近く経っていた…。そんな経験を持つ人は少なくありません。派遣は慣れるのも早く、生活も安定しやすいため、「このままでもまぁいいか」と感じてしまいがちです。

けれども、その“まぁいいか”が思わぬ落とし穴になります。転職に向けたモチベーションは、目の前の仕事に慣れるほど下がりやすくなるからです。特に年齢が上がるほど、採用のハードルは上がっていくため、「動くなら今だった」と後悔するケースも珍しくありません。

派遣を活用するなら、最初から期間を区切っておくのがおすすめです。たとえば「3カ月働いたら転職活動に本腰を入れる」といった具合に。今の仕事でスキルを磨きながらも、次のステージを常に視野に入れておくことが、理想の働き方への近道になります。

【注意点６】契約期間中は原則途中で辞められない

派遣社員として働く際には、契約で定められた期間を基本的に全うする必要があります。たとえば「3カ月契約」で働く場合、その期間の途中で自己都合により退職するのは、原則として認められていません（出典：労働契約）。

実際、派遣の働き方は「期間限定」が前提となっているため、契約途中での離職は派遣元や派遣先との信頼関係に大きく関わります。仮に転職活動が順調に進み、正社員の内定をもらえたとしても、契約期間の終了を待ってから辞めるのが基本的な流れです（出典：労働契約法第17条第1項）。

もちろん、体調不良や家庭の事情などやむを得ない理由がある場合は、派遣会社と相談すれば柔軟に対応してもらえることもあります。ただ、契約を交わした以上は「最後まで働く」という責任を持つことが前提となります。派遣を検討する際は、こうした制約を理解したうえで、転職活動のスケジュールを立てておくと安心です。

「転職までとりあえず派遣」が向いている人の３つの特徴

ここまで、転職までとりあえず派遣としてつなぎで働くや注意点を解説してきました。

「とりあえず派遣で働いてみようか」と考えている人の中には、自分が本当に派遣に向いているのか不安を感じる方も少なくありません。

実は、「転職までとりあえず派遣」がうまく機能する人には共通した特徴があります。

どのような人が派遣という働き方にフィットしやすいのか？

ここからは、「転職までとりあえず派遣」が向いている人の３つの特徴をまとめていきます。

【特徴１】やりたい仕事がまだ明確でない人

「自分に何が向いているのか分からない」「本当にやりたい仕事が見えてこない」と感じている方にとって、派遣という働き方は非常に柔軟で助けになります。

なぜなら、派遣ならさまざまな業界や職種の仕事に短期間で関われるため、働きながら自然と自分の得意なことや興味のある分野が見えてくるからです。

実際、未経験歓迎の求人も多く、気軽に新しい環境に飛び込めるチャンスがあります。頭の中だけで考え込むよりも、まずは現場に出て経験してみることで、「これなら続けられそう」と思える仕事に出会える可能性がぐっと高まります。

【特徴２】転職活動の準備期間が必要な人

「まだやりたい仕事がはっきりしない」「転職活動の進め方に自信がない」──そんなふうに感じているなら、まずは派遣で働いてみるのも一つの手です。派遣という働き方なら、生活費を得ながら少しずつ準備を進めることができます。

例えば、平日の夜や土日に自己分析をしたり、気になる業界について調べたりと、慌てずに次のステップに向けた土台作りができるのです。職場によっては残業が少なめなところも多く、時間の融通が利きやすいのもメリット。

焦らず自分と向き合いたい人にとっては、派遣という働き方がちょうどいい「準備期間」になるはずです。

【特徴３】派遣で経験を積んで転職に自信をつけたい人

「自分に本当にできるのか不安…」そんな気持ちで転職に踏み出せない方にとって、派遣という働き方は大きな助けになります。実際に現場で働きながら経験を積むことで、少しずつ自信を育てていけるからです。

たとえば、これまで事務職に縁がなかった方でも、派遣でオフィスワークに挑戦すれば、仕事の流れや求められるスキルを肌で感じられます。やってみたからこそ「案外向いてるかも」と思えたり、「こういう仕事はちょっと違うな」と気づいたり。そうした経験が、転職活動での自己分析や志望動機づくりにも役立ちます。

さらに、複数の職場を経験することで、「どんな働き方が自分に合うのか」が見えてくるのも派遣ならではの強みです。正社員になる前に、じっくり自分と向き合いたい方には、派遣はとても心強いステップになります。

転職までとりあえず派遣で利用するのにおすすめの派遣会社３選

転職までのつなぎとして派遣で働こうと考えたとき、どの派遣会社を選ぶかは非常に重要です。

サポート体制や求人の質によって、その後のキャリアにも大きく影響してきます。

そこで！転職までとりあえず派遣で利用するのにおすすめの派遣会社３選を厳選して紹介します！

実績やサポート内容に定評のあるサービスを厳選、それぞれの特徴を理解し、自分に合った会社を選ぶ参考にしてください。

【おすすめ１】ランスタッド

【おすすめ２】アデコ

【おすすめ３】テンプスタッフ

転職までとりあえず派遣の次に取るべき具体的な５つの行動

将来のキャリアを見据えるうえで「次の行動」は欠かせません。

派遣での経験をその場しのぎに終わらせず、次の一歩につなげる準備が大切です。

ここでは、転職までとりあえず派遣の次に取るべき具体的な５つの行動をご紹介します。

【行動１】自己分析をして希望の働き方を明確にする

「この先、どんな働き方をしたいのか？」──転職活動を前向きに進めるには、まず自分自身にしっかり向き合うことが欠かせません。とりあえず派遣で働いている間は、自分の得意なことや向いている環境を肌で感じるチャンスでもあります。

たとえば、「人と話すのが苦にならない」とか、「黙々と作業する方が集中できる」といった気づきが、将来の働き方のヒントになるはずです。自己分析を丁寧に行えば、「なんとなく働く」から一歩抜け出し、自信をもって次のステップを踏み出せます。

派遣の期間をただの“つなぎ”にせず、自分を深掘りする時間ととらえること。それが、理想の職場に近づく第一歩です。

【行動２】転職エージェントに登録して正社員を目指す

「派遣でしばらく働いているけれど、そろそろ正社員に…」と考えている方にこそ、転職エージェントの活用をおすすめします。ひとりで求人を探して、応募書類を整えて、面接に挑むのは想像以上に骨の折れる作業。ですが、エージェントを使えば、そうした手間がぐっと減ります。

エージェントは、あなたの希望や適性をヒアリングしたうえで、条件に合った求人を紹介してくれるだけでなく、職務経歴書の添削や面接対策までサポートしてくれます。特に、リクルートエージェントやマイナビエージェントといった大手では、派遣から正社員になった事例も豊富。非公開求人も多いため、自分では見つけられない可能性とも出会えます。

派遣で得た経験を土台に、より良いキャリアを目指すなら、転職活動を一人で抱え込むよりも、信頼できるパートナーを見つけることが、何より近道になります。

【行動３】スキルアップのための資格取得を検討する

「とりあえず派遣で働いているけれど、このままでいいのかな…」と感じている方にこそ、資格取得という選択肢を考えてみてほしいです。今は将来につながる準備期間でもあります。事務職を目指すなら日商簿記、IT系なら基本情報技術者、介護職なら初任者研修など、職種ごとに活かせる資格はさまざまです。

最近では、スマートフォンやパソコンを使ったオンライン講座も充実しており、通勤の合間や休日に自分のペースで学べる環境が整っています。毎日少しずつでも積み重ねれば、着実に知識と自信が身についていくはずです。

派遣の働き方を活かしながら資格を取得することで、転職活動でも有利になり、応募先の選択肢が広がります。自分の将来を見据えて、一歩を踏み出してみませんか？

【行動４】紹介予定型派遣への切り替えを検討する

「転職までとりあえず派遣で…」と考えている方にとって、紹介予定派遣は正社員を目指すうえで現実的かつ安心感のある選択肢です。最初は派遣社員として一定期間働き、その後、企業と本人の合意があれば正社員へと雇用が切り替わる仕組みなので、「お試し期間」があるような感覚で始められます。

実際に働くなかで社風や人間関係、仕事内容を体感できるため、「入社してから合わなかった…」というミスマッチも避けやすくなります。また、未経験分野でも受け入れてくれる企業が多いため、チャレンジしやすい点も魅力です。

将来的に正社員になりたい気持ちがあるなら、最初から紹介予定派遣を視野に入れて動いておくと、納得感のある転職につながりやすくなります。派遣という形をゴールではなく“通過点”として活用してみるのも、前向きな一歩になるはずです。

【行動５】派遣を続けるか正社員を目指すかを見直す

派遣として働くうちに、「この働き方を続けていいのだろうか」とふと考える瞬間があるかもしれません。最初はあくまで“つなぎ”のつもりだったのに、環境に慣れ、日々の業務に追われているうちに、そのまま続けてしまう――そんな人も少なくないようです。

とはいえ、派遣での働き方には自由さや柔軟さという魅力がある一方、正社員に比べると将来への安心感やキャリアの積み上げという点で不安が残るのも事実です。今後の働き方をどうするか、一度立ち止まって考えてみることはとても大事です。

「この先、どんな生活を送りたいか」「どんな働き方が自分に合っているのか」を見つめ直すことで、自然と進むべき道が見えてくるはずです。後悔のない選択をするためにも、自分の気持ちとじっくり向き合ってみてください。

【Q＆A】「転職までとりあえず派遣」に関するよくある質問

最後に「転職までとりあえず派遣」に関するよくある質問をまとめました。

よく寄せられる質問に答える形で、派遣から正社員を目指すうえでの不安を少しでも解消できるよう、実際の事例や傾向も交えて解説していきます。

【質問１】派遣から正社員に転職するのは難しいの？

派遣社員から正社員を目指すのは、たしかに簡単な道ではありませんが、決して無理なことではありません。

ポイントは、派遣という働き方をどう活かすかです。たとえば、派遣先での仕事ぶりが評価されれば、そのまま正社員登用の話が出ることもありますし、実績として転職時のアピール材料にもなります。ただ「何となく派遣」という姿勢ではチャンスを逃しがちなので、常に次のキャリアを見据えた行動を心がけることが大切です。

【質問２】派遣社員だと転職できないって本当？

「派遣だと転職に不利」といった声を耳にすることもありますが、実際にはそんなことはありません。

むしろ、いろいろな職場を経験しているからこそ、適応力や柔軟性を評価されるケースも多いです。たとえば、異なる業界での業務経験が、転職先で役立つこともあります。大事なのは、派遣での経験をどう伝えるか。受け身ではなく、どんな工夫をして仕事に取り組んできたかを具体的に伝えることで、印象は大きく変わります。

【質問３】20代で派遣を選ぶのは将来に不利なの？

20代で派遣を選ぶこと自体がマイナスになるとは限りません。

まだ社会に出たばかりで「何が自分に合っているのかわからない」という人にとって、派遣は職場や業種を試せる良い機会でもあります。ただ、何となく続けてしまうとキャリアがぼやけてしまうので、目的意識は持っておきたいところです。「この経験をどう活かすか」「次のステップは何か」を考えながら動くことで、派遣経験が強みに変わります。

【質問４】30代で派遣から転職するのは遅いの？

30代での転職に不安を感じる人は多いですが、「遅いからダメ」ということはありません。

むしろ、30代は社会人経験もある程度積んでおり、即戦力として期待されやすい年代です。大切なのは、自分がこれまで何をしてきたのかを整理し、それをどう活かせるかを明確に伝えること。過去の経歴を活かしつつ、次のキャリアに向けた前向きな姿勢を見せることが、転職成功のカギになります。

まとめ：転職までとりあえず派遣でつなぎとして働くメリット・注意点

転職までとりあえず派遣でつなぎとして働くメリット・注意点をまとめてきました。

改めて、転職までとりあえず派遣でつなぎとして働く重要ポイントをまとめると、

「転職までとりあえず派遣」は、将来を見据えながら柔軟に働ける選択肢として注目されています。

安定収入を得ながら転職活動の準備が進められるため、キャリアの迷いやブランクを埋める手段としても有効です。自分に合う働き方を見つけるための第一歩として、派遣という道を前向きに活用しましょう。