同じ求人なのに別の派遣会社の方が時給が高い!なぜ?時給交渉は可能?派遣会社の乗り換えや注意点

「同じ求人なのに別の派遣会社の方が時給が高いのはなぜ?」

「派遣会社は乗り換えても問題なし?行動する前に何か注意点はある?」

「同じ職場なのに、隣の人の時給が自分より高いと知った瞬間、正直モヤッとした」、そんな気持ちを抱えたまま働いていませんか?

実はまったく同じ求人でも、登録する派遣会社が違うだけで時給に差が出ることは珍しくありません。派遣の仕組みや条件の裏側には、多くの要因が絡んでいます。

「別の派遣会社の方が時給が高い」と気づいた今こそ、自分にとって損のない選択をするための第一歩です。

この記事では、派遣会社の時給差が生まれる理由から対処法、失敗しない派遣会社の選び方までを、わかりやすく解説していきます。

【先に結論】この記事のポイントと悩みの対処法

  • 派遣会社ごとのマージン率や交渉力の差で時給に違いが生じる
  • 契約前や更新前のタイミングは時給交渉の好機になる
  • 乗り換え時は契約内容や福利厚生の条件を慎重に比較する

同じ求人でも「別の派遣会社の方が時給が高い」と感じた場合、情報を整理し行動すれば状況を改善できます。派遣先にとって自分の価値を正しく伝える姿勢が、条件アップへの一歩となります。

そして、より時給が高い新しい職場を探すなら派遣会社の複数登録も視野に入れてみてください。

具体的に派遣会社の登録は、紹介スピードや求人の幅を広げるためにも、相性の良い担当者と出会えるよう2~3社に登録しておくのがおすすめです。

実際、7割以上の派遣社員の人が、2社以上の派遣会社に登録している調査結果もあるほど。

たとえば、ランスタッドテンプスタッフアデコなど、サポート体制が充実している派遣会社では、あなたの希望や適性に合った仕事を紹介してもらえます。

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同じ求人なのに別の派遣会社の方が時給が高い主な理由5選

同じ求人で働いているのに、別の派遣会社を通すと時給が高いことに気づくと、驚きや不満を感じる人も多いはずです。

これは単なる偶然ではなく、いくつかの明確な理由が背景にあります。

この「同じ求人なのに別の派遣会社の方が時給が高い主な理由5選」では、派遣社員として働く上で重要な要素をひとつずつ解説します。

なぜ派遣会社によって時給に差が出るのかを理解することで、自分にとってより有利な選択ができるようになります。

【理由1】派遣会社のマージン率の差が時給に影響する

「同じ求人なのに、どうして派遣会社によって時給がこんなに違うの?」と疑問に思ったことはありませんか? そのカギを握るのが“マージン率”です。これは簡単に言えば、派遣先が企業に支払っている金額のうち、派遣会社が手数料として差し引いている割合のこと。この割合が高ければ高いほど、あなたに支払われる時給は減ってしまいます。

たとえば、派遣先が1時間あたり2,000円を支払っているとして、マージン率が25%なら、あなたの手取りは1,500円。ところが、マージン率が30%になると、時給は1,400円程度に下がってしまいます。たった5%の差でも、月に換算すれば大きな違いになりますよね。

実際に、厚労省の資料(令和5年度 労働者派遣事業報告書の集計結果)をみるとマージン率は『約36.1%』、派遣会社によってこのマージン率は20%台から40%超までとばらつきがあり、公開している会社もあれば、そうでないところもあります。

だからこそ、求人を探すときは「時給」だけを見るのではなく、マージン率や福利厚生など、総合的な条件をチェックすることがとても大切です。

【理由2】地域や職種ごとの時給相場が会社によって異なる

同じ職種、似たような仕事内容なのに、派遣会社によって時給が数百円も違う──。そんなことって、本当にあるんです。理由のひとつが「地域」と「職種」による時給相場の違い。実際、企業側が支払う単価は、求人を出すエリアや仕事内容によって大きく変わってきます。

たとえば、東京・神奈川・埼玉などの関東エリアでは、派遣の平均時給は1,749円。一方、関西では1,501円、東海だと1,470円というデータも出ています(ランスタッド調べ)。全国平均は約1,528円なので、地域ごとの差は想像以上に大きいといえます。また、職種で見ると、一般事務が1,500円前後に対して、IT・エンジニア系は2,700円超というように、必要なスキルの難易度でも金額は変わってきます。

つまり、別の派遣会社の方が時給が高い理由には、単に「会社の違い」だけでなく、「どこで」「どんな仕事か」といった相場の背景も関係しているのです。求人を比較する際は、時給だけで判断せず、地域や職種の水準を踏まえてチェックするのがポイントです。

【理由3】営業担当者の交渉力によって提示時給が違う場合も

「えっ、同じ求人なのに、時給が違うの?」と思ったら、まず疑ってほしいのが“営業担当者の腕前”です。派遣会社の営業は、派遣先と交渉して単価を決める立場。つまり、その担当者がどれだけ信頼を得ているか、交渉でうまく条件を引き出せるかで、あなたの時給も大きく変わってくるのです。

実際、同じ派遣先・同じ職種の求人でも、営業の交渉力に差があるだけで時給が100円~200円ほど変わることも珍しくありません。中には「他社では時給1,600円なのに、うちでは1,500円で出しています」といったケースも見受けられます。こうした背景には、営業の経験年数や会社の方針、そして「人としての説得力」など、数値化できない要素が絡んでいます。

だからこそ、求人票だけ見て判断するのはもったいないんです。応募前に営業とのやり取りで「この人は信頼できそうか」「こちらの希望をちゃんと聞いてくれるか」を見極めてみてください。良い営業に出会えれば、ただの仕事探しが“条件交渉のできる仕事選び”に変わっていきます。

【理由4】福利厚生の負担額が違うことで時給に差が出る

パッと見た時給だけで「この会社のほうが得だ」と判断するのは、ちょっと待ってください。派遣会社ごとに用意されている福利厚生の中身、実はそのコストが、あなたの時給にしっかり影響しているんです。

たとえば、健康診断、社会保険、有給休暇の保障。これらを派遣会社がどれだけ手厚く提供しているかによって、派遣先から受け取った報酬の“使い道”が変わります。人材派遣業界の標準では、派遣先が支払う金額のうち、約7割があなたの給与に、残りは福利厚生や事務経費に回されているというのが一般的な内訳です(出典:一般社団法人日本人材派遣協会|派遣料金の内訳)。

つまり、福利厚生に力を入れている会社ほど、時給そのものを高く設定するのが難しくなるという構造なのです。

ただし、時給だけを見て「安いから損」とは言い切れません。福利厚生が整っていることで、病気やケガのリスクにも備えられるし、長く働くうえでの安心感はお金に換えられない価値があります。だからこそ大切なのは、時給だけで判断せず、“働きやすさ”を含めたトータルの条件で比べることなんです。

【理由5】案件の時期や急募状況で時給が高くなることがある

「なんで同じ仕事なのに、こんなに時給が違うの?」と思ったら、求人が出た“タイミング”に注目してみてください。実は、派遣の時給って、募集の緊急度によっても上下するんです。

たとえば、繁忙期直前で「人手が足りない!」と焦っている企業は、少しでも早く人を確保したくて、いつもより高い時給を提示することがあります。とくに年末年始、決算前、夏の大型連休の前後などは、企業側の“人材争奪戦”が加速するため、条件が良くなりやすい時期です。短期やスポット派遣などでは、なおさらその傾向が強く、通常より100円~300円上乗せされているケースも珍しくありません。

つまり、同じような業務内容でも、募集の出た「時期」や「急募かどうか」で、あなたが手にする時給は変わってきます。求人を探すときは、仕事内容だけでなく「なぜこのタイミングで募集しているのか」に目を向けると、意外な高時給案件に出会えるチャンスが広がります。

別の派遣会社の方が時給が高いときは時給交渉可能?

ここまで、同じ求人なのに別の派遣会社の方が時給が高い主な理由を解説してきました。

では、別の派遣会社の方が時給が高いときは時給交渉可能なのかどうか。

結論からいうと、時給交渉は可能です。実際のところ、派遣でも時給の見直しを申し出るタイミングは意外とあります。特に有効なのが「契約前」と「契約更新の直前」。この2つは派遣会社側も条件を再調整しやすい時期です。

たとえば、契約前の面談では「他社では同じ案件で1,650円でした」と具体的に伝えることで、派遣会社が時給を引き上げてくれるケースもあります。更新のときなら「○ヶ月間休まず勤務して、業務も一通り任されるようになった」というように、実績をベースにしたアピールが効果的です。

より具体的な「時給交渉のタイミング」とそのときの伝え方や注意点を、順番に詳しく解説していきます。

【タイミング1】契約を結ぶ前の面談や確認のとき

実は、派遣の時給って「契約前の面談」で動くことがあるんです。求人票に書かれた金額が最終ではなくて、その手前でちょっとしたやり取りの中で上がること、意外と少なくありません。

たとえば「他社からも同じ案件を紹介されていて、そちらの時給が少し高くて迷ってます」と伝えるだけで、派遣会社が調整をかけてくる場合もあります。実際、50円~100円程度の上乗せは交渉次第で現実になりますし、交渉の結果が「今後の評価」に響くようなこともありません。

もちろん、大切なのは伝え方。強気に押しすぎると逆効果になりかねません。「これまでの経験を活かして早く戦力になれると思うので、その分も評価してもらえたら…」といった一言を添えるだけで、印象は大きく変わります。

つまり、面談はただ話を聞くだけの場ではなく、自分の働き方をつくっていくための交渉の場。条件に納得できないまま進めてしまうより、最初にちゃんと希望を伝えるほうが、ずっと気持ちよく働けます。

【タイミング2】契約更新前の条件見直しがしやすい時を狙う

もし「時給、もう少し上がらないかな」と感じているなら、契約更新の直前こそ、動くタイミングです。実はこの時期、派遣会社側も更新条件を調整する“余白”を持っています。企業との再契約に向けて、条件を見直すことができるからです。

たとえば、「最初より業務量が増えている」「最近では新人教育も任されている」──そんな変化があったなら、何も言わずに更新するのは正直、もったいないです。交渉次第では、50円~100円程度の時給アップが通るケースもあります。

もちろん、ガツガツ要求する必要はありません。「続けたい気持ちはあるけど、今の働きぶりをもう少し評価してもらえたら嬉しい」──その一言で、流れは大きく変わることもあります。

契約更新前の面談は、ただの確認の場ではなく、“条件を整えるラストチャンス”。ここで勇気を出せるかどうかが、今後の働き方に直結するのです。

【タイミング3】資格取得やスキルアップ後にアピールする

時給の話を切り出すなら、「資格を取った直後」や「スキルを磨いた直後」が、実はいちばん言いやすいタイミングです。「勉強したのは自分」「成果が出たのも自分」だからこそ、自信を持ってアピールできますし、派遣会社側も「その努力に応える理由」が見つけやすくなります。

たとえば、Excelで関数を使いこなせるようになったとか、MOSや日商簿記など実務に直結する資格を取った場合は、職場での対応力が上がっている証拠です。数字や資格名を添えて伝えれば、担当者の納得度も違います。

実際、「資格を取った後に相談してみたら、時給が50円上がった」という事例も少なくありません。スキルアップのあとにしっかり自己評価を言葉にできる人は、結果を引き寄せやすいです。

「もっと稼ぎたい」という気持ちを遠慮なく出すよりも、「身につけた力で貢献できることが増えた」と前向きに伝える。そのほうが、話はずっとスムーズに進みます。

別の派遣会社の方が時給が高いので乗り換えたいときの対処法

同じ仕事内容でも、派遣会社が違うだけで時給に差が出ることは少なくありません。

「別の派遣会社の方が時給が高いので乗り換えたい」と感じたとき、感情だけで動くのは避けたいところです。

円満に次の職場へ進むためには、契約の確認やタイミングの見極めが非常に大切です。

ここでは、派遣会社を変更する際に押さえておきたい対処法とその手順を、段階ごとにわかりやすく解説します。

【対処法1】まずは現契約の満了時期を確認してから行動する

「時給が高い会社に乗り換えたい」と思っても、最初に確認しておくべきなのが、いま働いている派遣契約の満了日です。ここを見落として慌てて動いてしまうと、契約違反になったり、次の仕事探しに支障が出る恐れがあります。

派遣業界では、契約の継続についておおよそ1~2カ月前に確認されるケースが一般的です。たとえば、6月末が契約終了日なら、4月下旬から5月頭には「更新するかどうか」の意思表示が求められると考えておきましょう。これは、派遣元も派遣先も、次の段取りを早めに整える必要があるからです。

つまり、時給の高い派遣先へスムーズに切り替えるためには、契約満了日から逆算して、余裕を持って準備を始めることがとても大切です。派遣会社の変更は、ただの転職以上にタイミングがカギを握ります。冷静に現在の契約状況を整理し、「今が動くべきときか?」を見極めてから次のステップへ進みましょう。

【対処法2】契約満了1カ月前が派遣会社を変えるタイミング

「別の派遣会社の方が時給が高い」と気づいても、すぐに動けばいいというわけではありません。実は、派遣契約の切り替えにもっとも適しているのは、“満了の1カ月前”とされています。なぜその時期なのか、というと、派遣会社側が契約更新の意思を確認してくるのがちょうどこのタイミングだからです。

この時期に「更新は希望しません」と伝えれば、角が立ちにくく、次の動きにもスムーズに移れます。たとえば、6月末に契約が終わる場合、5月上旬から中旬にかけてが判断の分岐点です。水面下で他社の求人情報を比較したり、希望条件に合う案件を探し始めておけば、無理なく次の環境へ移れるはずです。

焦って動くと、現場との関係をこじらせてしまうこともあります。逆に、この“1カ月前”というタイミングを味方につければ、落ち着いて準備ができ、条件面でも納得のいく転職が叶いやすくなります。

【対処法3】現在の派遣元の契約更新を更新しないと伝える

「時給が高い別の派遣会社がある」と気づいたとき、まずやるべきことは“今の契約がいつ終わるのか”を確認することです。ただ、その次に大切なのが、「更新はしません」と派遣元にしっかり意思表示をするタイミングです。

契約の更新を断る連絡は、理想的には契約満了の1か月前までには済ませておきたいところ。遅くなると、派遣会社側の調整や後任探しに支障が出てしまい、思わぬトラブルになることもあります。派遣会社によっては“次回の契約更新はどうしますか?”と確認してくれることもありますが、自分から先手を打って伝える方がスマートです。

たとえば、6月末で契約終了予定なら、ゴールデンウィーク明けくらいを目安に「今回は更新しないつもりです」と担当者に話しておくのが無難です。理由はシンプルで構いません。「他の求人と比べて、条件を見直したい」と正直に話して大丈夫です。

伝えることに気が引けるかもしれませんが、派遣の仕組み上、契約が切れるタイミングでの判断は珍しくありません。むしろ現場や派遣会社も想定内です。誠実に伝えさえすれば、円満な形で次に進めます。

【対処法4】乗り換え前に派遣元と話し合い納得を得ておく

「他の派遣会社ならもっと高い時給がもらえるのに」と感じたとき、すぐにでも移りたくなる気持ちはよくわかります。でも、その前に一つ、大切なステップがあります。今お世話になっている派遣会社と、きちんと話し合うことです。

なぜわざわざそんなことを?と思うかもしれません。けれど、派遣の世界には“表に見えづらいルール”がいくつか存在します。たとえば、「同じ派遣先に別の派遣会社から入るのは禁止」という契約条項があったり、派遣元に無断で乗り換えたことがトラブルの火種になったりするケースも。知らずに進めてしまうと、せっかくのステップアップが思わぬ壁にぶつかってしまうかもしれません。

実際、転籍をスムーズに進めた人たちは、みな一度立ち止まり、丁寧に話をしています。「このまま働き続けたいけど、別会社の条件の方が魅力的だった」と率直に伝えたことで、結果的に時給が上がったという例もあります。

派遣元との関係性は、次に進むための地盤でもあります。気まずさを残すよりも、お互いが納得できる形で区切りをつけて、新しい環境へ向かいましょう。

【対処法5】複数の派遣会社に同時登録して比較を進める

「同じ求人なのに時給が違う」と気づいたとき、そのまま1社に任せてしまうのは少しもったいないかもしれません。実際、多くの派遣スタッフが2社以上に登録して、自分にとってより良い条件を探しています。これは珍しいことではなく、むしろ今では当たり前のように行われているスタイルです。

派遣会社によって得意な業種やエリア、営業担当者の交渉力、さらには福利厚生の中身まで異なります。同じ求人を扱っていても、「A社では時給1,500円・交通費込み」「B社では時給1,600円・交通費別」なんていう差が平気であるのが現実です。

だからこそ、複数登録することで比較対象が生まれ、自分が本当に納得できる派遣先を選びやすくなります。どこかに“もっと良い条件”があるかもしれない。その可能性に目を向けることが、後悔のない選択につながるはずです。

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別の派遣会社の方が時給が高いことを理由に変える際の6つの注意点

時給が高い派遣会社へ乗り換えたいと思ったとき、勢いだけで行動すると思わぬ落とし穴にはまることがあります。

派遣契約には守るべきルールや細かな決まりごとがあり、事前に確認すべき点も少なくありません。

そこで、別の派遣会社の方が時給が高いことを理由に変える際の6つの注意点をまとめました。

注意点を理解しておくことで、トラブルや後悔を防ぎながら、納得できる環境へ移ることができます。ひとつずつ詳しく解説していきます。

【注意点1】契約上移籍できない禁止条項があることもある

「こっちの派遣会社のほうが時給が高いし、すぐにでも乗り換えたい」──そう思って動き出す前に、一つだけ確認しておきたい大事なポイントがあります。それが、今の派遣契約に“禁止条項”が入っていないかどうかです。

たとえば、「同じ派遣先に対して、別の派遣会社を通じて再契約するのは禁止」といった内容が契約書に含まれていることがあります(出典:派遣元事業主の講ずべき措置等)。このような条項は、法的な効力が曖昧なケースもありますが、違反すればトラブルになる可能性は十分にあります。実際に、派遣元との関係がこじれ、希望していた職場で働けなくなったという話も耳にします。

時給が高くても、契約違反になれば本末転倒です。まずは、契約書の文面を丁寧に読み直し、少しでも不安があれば派遣元に率直に相談するのが安全です。感情のまま動くより、ひと呼吸おいて冷静に判断することが、あとあと自分を守ることにつながります。

【注意点2】社会保険や手続きの切り替えが必要になる

「別の派遣会社の方が時給が高い」。そう聞けば、すぐにでも乗り換えたくなる気持ちは自然です。でも、実際に動き出す前に、ちょっと立ち止まって確認したいのが“社会保険の切り替え”という手続き。ここを見落とすと、後から思わぬ落とし穴にはまってしまうことがあります。

なぜかというと、社会保険の手続きは就業状況によって大きく変わるからです。たとえば、新しい派遣先での勤務が今の契約終了直後からスタートするなら、基本的には次の派遣会社が手続きを進めてくれます。ですが、そこに1週間でも空白期間があると、その間は自分で国民健康保険に加入したり、年金を手続きしたりと、役所に出向く必要が出てくるんです(出典:就職したとき(健康保険・厚生年金保険の資格取得)の手続き)。

実際、派遣から派遣へスムーズに移ったはずが、手続きのズレで保険証が手元に届かず、通院や薬の受け取りで困った…という声も珍しくありません。しかも、健康保険の「任意継続」を選ぶ場合、退職日から20日以内に申請が必要というルールもあるため、タイミングを逃すとそちらの道も閉ざされます(出典:任意継続の加入条件について)。

要するに、時給アップというメリットにばかり目を向けると、こうした手続きの負担が後からのしかかってくることもあるのです。派遣会社を乗り換えるなら、社会保険の手続きについても必ず事前に確認を。可能なら次の契約スタート日を現契約の終了日とピッタリ合わせるのがベストです。

【注意点3】有給休暇の起算日や残日数がリセットされる

「せっかく貯めた有給、使えずに消えてしまうなんて…」——実は、派遣会社を変えると有給休暇がゼロから再スタートになるケースが珍しくありません。これは意外と知られていない落とし穴です。

理由はシンプル。派遣会社が変わると、雇用契約もリセットされるため、これまで積み上げてきた勤務期間が“別物”として扱われるからです(出典:労働者派遣を行う際の主なポイント)。たとえば、6ヶ月間働いてようやく付与された7日の有給休暇が、乗り換えによって丸ごと失効してしまう——そんなことも起こり得ます。

「次の職場でもう少し時給が上がるなら」と思っても、有給のリセットで実質の手取りが減ってしまうことも。さらに、空白期間が空くと“継続勤務”と見なされず、再カウントのスタートがどんどん後ろ倒しに。うっかりしていると、次の有給まで長い道のりになるかもしれません。

乗り換え前にできることは2つ。まず、有給が残っているなら、なるべく消化してから退職するのがベスト。もうひとつは、次の派遣会社に「継続性のある雇用」として扱ってもらえるか確認しておくこと。時給アップも大事ですが、有給の扱いもしっかり見極めることで、後悔のない選択ができるはずです。

【注意点4】乗り換えた先で派遣実績がゼロ扱いになる

これまで何年も同じ派遣先で真面目に働いてきたのに、派遣会社を変えた途端、「初めてのスタッフ」として扱われてしまう。これは、多くの派遣スタッフが見落としがちな落とし穴のひとつです。

派遣先の企業は、契約の窓口である“派遣会社”単位で情報を管理しているため、別の派遣会社から改めて入ると、過去の実績や信頼関係はまったく引き継がれません。勤務年数も、スキル評価も、契約延長の相談実績も、いわば“白紙”に戻るのです。

たとえば、前の派遣会社では評価が高く、時給アップの話も見えていたのに、新しい会社に変えたことで「この人は初めてなので様子を見ましょう」と言われることも。実際、多くの派遣先企業は“個人”ではなく“派遣元”に信用を置いているため、どれだけ同じ職場で働いていても、会社を変えた瞬間にリセットされるのが現実です。

時給が少し高くなるからといって、勢いで乗り換えると、思ってもみなかった“積み上げの消失”が待っています。派遣実績は、見えにくいけれど確かにあなたの武器です。その価値を手放すことが、本当に得なのか――冷静に天秤にかけてから決めるようにしましょう。

【注意点5】3年ルールがリセットされず継続される場合もある

「派遣会社を変えたら、勤務年数もゼロからになるんじゃない?」と考えてしまいがちですが、必ずしもそうとは限りません。実は、働いている職場が同じであれば、“3年ルール”はそのまま引き継がれるケースがあります(出典:派遣先の皆様へ)。

このルール、正確には労働者派遣法で決められた「同一の組織単位で働ける期間は最長3年」という決まりのことです。そしてポイントは、“派遣先”が基準になっている点。つまり、派遣元(派遣会社)が変わっても、働く場所が同じであれば、勤務開始からの通算年数がカウントされ続けるのです(出典:派遣労働ハンドブック)。

たとえば、A社から派遣されて2年間働いたあと、より時給の高いB社に乗り換えたとしても、同じ部署で同じ業務を続けている場合は、すでに2年働いた実績が“リセット”されることはありません。そこにさらに1年が加わると、3年に達した時点で契約終了になる可能性が出てきます。

時給アップだけに目を向けると見落としがちですが、乗り換えたことで「思ったより長く働けなかった」とならないよう、事前に3年ルールの扱いを確認しておくことが大切です。

【注意点6】現派遣会社との関係がギクシャクするリスクがある

「別の派遣会社のほうが時給が高い」。そう気づいても、すぐに乗り換えるのはちょっと待ってください。実は、今の派遣会社との関係が微妙になるケースは意外と多いです。

特に、何度か同じ担当者とやり取りしてきた方なら分かると思いますが、派遣先との調整やトラブル対応など、地味だけど手間のかかることを陰で支えてくれていたのは、その担当者です。何も言わずに契約終了だけ伝えると、「なんで…?」という空気になり、後味が悪くなることがあります。

さらに、今後またその派遣会社にお世話になりたいと思ったときに「印象の悪い辞め方をした人」として記憶されると、紹介される案件の質が落ちる、または優先順位が下がるリスクもゼロではありません。

時給の差に納得できない気持ちは当然です。でも、乗り換えを検討するなら、まずは冷静に、そして丁寧に。今の派遣会社に感謝を伝えつつ、正直に「他社での条件が良かった」と伝えるだけで、関係が悪化するのを防げる可能性が高まります。

高時給で福利厚生も手厚い!未経験OKの求人多数のおすすめ派遣会社3選

「同じ求人なのに別の派遣会社の方が時給が高い」と感じたなら、まずは信頼できる派遣会社を見極めることが大切です。

派遣会社によっては、時給だけでなく福利厚生や未経験者へのサポート体制まで大きく異なります。

ここでは、高時給に加えて、安心して長く働ける環境が整っている派遣会社を3社厳選してご紹介します。

自分に合う条件を見つけたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

【おすすめ1】ランスタッド

「今よりも少しでも良い条件で働きたい」と思った時に、まずチェックしたいのが『ランスタッド』です。実はこの派遣会社、ただの“求人の仲介役”ではありません。働く人にとって本当に役立つサポートを提供してくれる、頼れる存在なのです。

たとえば、広告費を抑えてその分を時給に回す方針を取っているため、同じ求人でも他社より時給が高いことが珍しくありません。実際、未経験OKの事務系や軽作業の案件でも、時給1,400円以上がざらにあります。しかも、LINEで仕事紹介や応募ができる仕組みがあるなど、手続きの面倒さも感じにくいのが魅力です。

それに加えて、キャリア相談やスキルアップ支援といったサポート体制も充実しています。「今すぐの収入」だけでなく、「この先の働き方」にまで寄り添ってくれるスタンスが、多くのスタッフから信頼されている理由でしょう。

もし「別の派遣会社の方が時給 高い…」と感じたなら、一度ランスタッドの求人をじっくり比較してみる価値はあります。表面の金額だけじゃ測れない“働きやすさ”に、きっと気づくはずです。

【おすすめ2】テンプスタッフ

「どうせ働くなら、時給もサポートも、どちらもちゃんとしていてほしい」。そんな思いを持っているなら、『テンプスタッフ』はかなり頼れる存在です。

実際、テンプスタッフの平均時給は全国でおよそ1,600円以上とされており、厚労省が出している短時間労働者の全国平均(約1,470円)を軽く上回ります。しかも魅力は金額だけではありません。

たとえば、社会保険や有給、産休・育休といった基本的な制度に加え、旅行や育児支援、スキルアップ講座の割引まで整っているため、「派遣でもここまで?」と驚く人も少なくないようです。

口コミを見てみると、「子どもが小さくても柔軟に働けた」「派遣でも社員並みに大事にされた」といった声が目立ちます。全国展開しているので、転勤や引っ越しがあっても仕事探しに困りにくいというメリットもあります。

単に“時給が高いから”という理由で選ぶだけではもったいない。働きやすさや支援体制まで見たとき、テンプスタッフは“長く付き合える派遣会社”の一つだと言えるでしょう。

【おすすめ3】マイナビスタッフ

「事務の仕事がしたい」「未経験だけど大丈夫かな」――そんな思いがあるなら、『マイナビスタッフ』はぜひ検討しておきたい派遣会社です。

マイナビというと転職サイトのイメージが強いかもしれませんが、派遣も非常に強く、特に事務やクリエイティブ系に力を入れています。実際、紹介される案件の7割以上がそのジャンルで、しかも未経験OKの求人も豊富です。働きながら正社員を目指せる「紹介予定派遣」も扱っており、次のステップを見据えた働き方を考えている人には心強い存在です。

実際に利用した方の声を見ていると、対応が丁寧で相談しやすかったという感想が多く見られます。逆に、地方の求人はやや少なめという口コミもありますが、東京・大阪など都市部なら選択肢がかなり広がる印象です。

「高時給」だけで飛びつくよりも、「信頼できる会社か」「自分に合う働き方ができるか」が大事だと感じているなら、マイナビスタッフは選ぶ価値が十分あります。焦らず、自分の希望と向き合いたい方におすすめです。

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【Q&A】同じ求人なのに別の派遣会社の方が時給が高いときのよくある質問

最後に同じ求人なのに別の派遣会社の方が時給が高いときのよくある質問をまとめました。

不安を感じたときに浮かびがちな疑問を一つひとつ丁寧に解説しています。実際に行動を起こす前に知っておきたい基本情報として、ぜひチェックしてみてください。

【質問1】同じ職場・派遣先のまま派遣会社だけ変えることはできる?

「同じ職場で働き続けたいけど、別の派遣会社に切り替えたい」という声は意外と多いものです。実際、場合によってはそれが可能です。

ただし、条件があります。ポイントは、希望する派遣会社が現在の派遣先と新たに契約できるかどうか。派遣の仕組み上、雇用は派遣会社、指示は派遣先という関係なので、新しい派遣元が派遣先と契約していなければ移ることはできません(出典:労働者派遣事業について)。

また、「派遣は最長3年まで」というルールにも注意が必要。派遣会社を変えても、同じ部署での勤務は通算3年までとカウントされるのが原則です。まずは派遣先の受け入れ体制と勤務年数を確認し、無理のない形での切り替えを検討しましょう。

そして、新しい職場を探すなら派遣会社の複数登録も視野に入れてみてください。

具体的には派遣会社の登録は、紹介スピードや求人の幅を広げるためにも、相性の良い担当者と出会えるよう2~3社に登録しておくのがおすすめです。

実際、7割以上の派遣社員の人が、2社以上の派遣会社に登録している調査結果もあるほど。

たとえば、ランスタッドテンプスタッフアデコなど、サポート体制が充実している派遣会社では、あなたの希望や適性に合った仕事を紹介してもらえます。

以下の派遣会社はすべて登録無料で、福利厚生や研修制度も充実。まずは気になる会社から気軽に登録して、自分にぴったりの働き方を見つけてみてください。

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【質問2】時給を他の派遣スタッフに言ってしまったらどうなる?

同じ職場で働くスタッフと時給の話をするのは気まずくなりがちですが、法律的に言えば「時給を伝えたからといって即トラブルになる」わけではありません。

ただ、現実としては、人間関係がギクシャクしたり、職場の雰囲気が悪くなったりする可能性があります。どうしても待遇に差を感じた場合は、他のスタッフとの会話ではなく、派遣会社の担当者に直接相談するのが建設的です。「どうして私の時給はこの金額なのか」という質問に対しては、派遣元には根拠を示す義務があります。感情的にならず、冷静に説明を求める姿勢が、最終的に自身の待遇改善につながる近道になるでしょう。

【質問3】派遣の時給が上がらないときは辞めるべき?

派遣で働いていると「なかなか時給が上がらない」と感じる瞬間があるかもしれません。ただ、いきなり辞める前に、まずは冷静に状況を見直すことが大切です。

たとえば、2024年時点で三大都市圏の平均時給は1,600円台。募集時の平均時給は1,674円、就業者の平均では1,614円というデータも出ています。これと自分の時給を比較して、「相場より明らかに低い」と判断できれば、改善を求める十分な理由になります。担当者に交渉しても状況が変わらないとき、はじめて次の職場を検討するという流れがベストです。見切りをつける前に、まずは情報をもとに動いてみましょう。

【質問4】派遣会社を変える理由の多くは何?

実際に派遣会社を乗り換える人が多い理由は、やはり「時給や待遇への不満」が目立ちます。加えて、「希望の仕事が紹介されない」「担当者の対応に不信感がある」「連絡が遅い」といった点もよく聞かれる不満です。

全国の調査でも、派遣会社を選ぶときに重視されるのは「時給の高さ」「福利厚生」「サポートの手厚さ」が上位を占めています(出典:令和4年派遣労働者実態調査の概況)。つまり、自分が一番大事にしたい条件が満たされていないと、別の派遣会社の方が魅力的に映るのは当然です。「なんとなく不満」という状態で放置せず、自分の優先順位を整理して、合わない部分が多ければ乗り換えを検討するのが現実的な選択です。

まとめ:同じ求人なのに別の派遣会社の方が時給が高い理由と乗り換え方

同じ求人なのに別の派遣会社の方が時給が高い理由と乗り換え方に関する情報をまとめてきました。

改めて、別の派遣会社の方が時給が高い理由と行動のポイントをまとめると、

別の派遣会社の方が時給が高い理由と行動のポイント

  • 派遣会社ごとのマージン率の違いが時給差の大きな要因になる
  • 同じ求人でも地域・職種・タイミングによって提示される時給が異なる
  • 営業担当者の交渉力が高い派遣会社は、より良い条件を引き出しやすい
  • 福利厚生の負担割合が異なると、結果的に時給に差が出ることがある
  • 複数の派遣会社に登録して比較・交渉することが高時給獲得の近道

同じ求人でも、派遣会社を変えるだけで時給が大きく変わるケースは少なくありません。

特に「別の派遣会社の方が時給 高い」と感じた場合は、その裏にある仕組みや交渉力の差に目を向けてみましょう。

情報を集めて冷静に比較し、自分にとって最も条件の良い派遣会社を選ぶことが、満足度の高い働き方につながります。