正社員から派遣社員への転職は後悔する?その5つの理由と向いている人の特徴や面接対策

「正社員から派遣社員への転職は後悔する?」

「派遣の魅力は?どんな人に向いている働き方なの?」

正社員として働いてきたけれど、心のどこかで「このままでいいのだろうか」と感じていませんか?

キャリアの方向転換を考え、派遣という働き方に目を向ける方が増えています。

しかし同時に、「正社員から派遣へ転職して後悔しないだろうか」という不安もつきまとうものです。

安定した収入や将来性、人間関係や働き方の自由度──そのすべてに悩むのは当然です。

この記事では、正社員から派遣社員に転職して後悔した理由となってよかった魅力、そして後悔しないための事前対策まで、分かりやすく解説していきます。

【先に結論】この記事のポイントと悩みの適切な対処法

  • 派遣は自由度が高い反面、収入や安定性に不安が残りやすい
  • 派遣への転職で後悔する人は、目的や優先順位を曖昧にしがち
  • 後悔を避けるには、信頼できる派遣会社選びと事前準備が重要

「正社員から派遣社員への転職は後悔するのか否か」という状況に向き合うには、感情だけでなく冷静な判断が欠かせません。

メリットとデメリットを天秤にかけ、自分の価値観と働き方に合った選択をすれば、後悔は最小限に抑えられます。派遣でのキャリアも、納得の準備ができていれば新たな可能性となります。

【結論】正社員から派遣社員への転職は後悔する?

「正社員から派遣に変わると後悔する?」という問いに、はっきりした“正解”はありません。ただし、何を大切にして働きたいか──この軸を見失って転職すると、後悔につながる可能性は高くなります。

たとえば、厚生労働省のデータによると、正社員の平均月収は約34.8万円。一方で、非正規雇用(派遣を含む)の平均は23.3万円と、10万円以上の差があります。これは、年収に換算すると100万円以上の違いになるケースもあるほどです。収入の安定性や昇進のチャンス、長期的なキャリア形成を求めていた人にとっては、この差は想像以上に大きなストレスになるでしょう。

また、派遣社員には「契約更新」の壁が常につきまといます。同じ職場でずっと働ける保証はなく、最長3年という制限があるケースも少なくありません(出典:派遣社員を受け入れるときの主なポイント)。慣れてきた頃に「次があるかどうか」で悩まされるのは、精神的にも決して楽ではないはずです。

一方で、「家事や育児の両立を優先したい」「残業や責任の重さから離れたい」といった理由で派遣を選ぶ人も増えています。時間や働く場所の選択肢が広がり、精神的な余裕ができたという声も実際にあります。

つまり、正社員から派遣への転職で後悔するかどうかは、“何を失い、何を得たいのか”を自分自身が明確にできているかで決まります。年収か、自由か。安定か、柔軟性か。その天秤のどちらを重く見るかで、感じ方は大きく変わってくるのです。

正社員から派遣社員に転職して後悔した5つの理由

正社員から派遣社員に転職して「後悔した」と感じる人には、いくつか共通する理由があります。

給与や雇用の安定といった条件面にギャップを感じるだけでなく、将来への不安や周囲からの見られ方まで、想像以上に気になるポイントが多いのが現実です。

この「正社員から派遣社員に転職して後悔した5つの理由」では、実際に後悔の声が多かったポイントを具体的に解説していきます。

決断前に知っておくことで、後悔を防ぐヒントが見えてくるはずです。ぜひ、今後のキャリア選択の参考にお役立てください。

【理由1】給与が正社員より低く感じるから

派遣社員に転職して、最初に戸惑うのが「思った以上に収入が減った」という現実です。

実際、国税庁が公表している調査結果(令和5年分 民間給与実態統計調査)では、正社員の平均年収が約530万円。一方、非正規雇用(派遣・契約など)になると約202万円というデータが出ています。さらに、月収で比べても正社員が約34.8万円に対して、派遣などの非正規ではおよそ23.3万円と、月々11万円以上の差がある計算です。

この数字だけ見れば一目瞭然ですが、実際の生活に落とし込んだとき、その差はさらに大きく感じられます。たとえば正社員時代、家賃やローン、保険、貯金まである程度余裕を持ってこなせていたのに、派遣になってからは「ボーナスがない」「残業代も少ない」「昇給の見込みがない」と、ジワジワ効いてくるのです。

もちろん、収入よりも自由な時間や心のゆとりを優先したい人にとっては割り切れるかもしれません。ただ、もし今の生活水準を維持したいと考えているなら、転職前に手取り額や税金、交通費、各種手当まで含めて現実的な試算をしておくことをおすすめします。

思い切って踏み出した後に、「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、数字から目をそらさないことが大切です。

【理由2】契約更新の不安に常につきまとうから

派遣で働くなかで、多くの人が悩むのが「契約が切れたらどうしよう」という不安です。実際、これは想像よりもずっと心に影を落とします。

というのも、派遣という働き方には「3年ルール」と呼ばれる制限があり、同じ職場でずっと働き続けることは基本的にできません。原則として、派遣社員は同じ部署に3年以上とどまることが法律で禁止されているのです。更新ができたとしても、半年や1年など短いスパンが多く、そのたびに「次はあるのか」と気を揉む日々が続きます。※

ある女性のケースでは、2年目までは順調に更新されていたのに、3年目の途中で「後任の正社員が決まった」と告げられ、急な契約終了に直面したそうです。事前に知らせてもらえるとはいえ、「いつかこの日が来る」と分かっていても、現実になったときのショックは大きかったと話していました。

収入の心配もありますが、それ以上に「この先、自分はどこで働けるのか」「次が見つからなかったらどうしよう」といった将来への不透明さが、心にじわじわとプレッシャーをかけてきます。

派遣で働くこと自体が悪いわけではありませんが、安定を重視したい人にとっては、この“契約更新の壁”が大きな不安要素になることは間違いありません。転職を検討する前に、この点を冷静に受け止めておくことがとても大切です。

【理由3】キャリアの見通しが描きづらいから

派遣で働いていると、ふとした瞬間に「この先、自分はどうなっていくんだろう」と立ち止まることがあります。正社員のように、昇進の道や役職への階段が明確に用意されていないぶん、将来のイメージを描くのが難しいのです。

特に気になるのが、仕事の継続性とスキルの積み上げ方。派遣には“3年ルール”があり、同じ部署には原則3年以上いられません。契約が終われば新しい職場へ移ることになり、積み上げた経験を次に活かしにくい面もあります。

一方で、派遣会社によってはスキルアップ支援制度を用意しているところもあります。実際、こうした制度を活用している人は、そうでない人よりも平均時給が200円ほど高いという調査結果もあります(利用者の時給は平均1,619円、非利用者は1,417円、出典:派遣社員の意識・就労実態調査)。つまり、努力次第で待遇の差はつくけれど、それを後押ししてくれるキャリア設計のサポート体制は正社員より弱いのが現実です。

「この職場でずっと働き続けられるわけじゃない」「キャリアの先が見えにくい」と感じるのは、派遣を選んだ人なら一度は直面する悩みです。自分の5年後・10年後を思い描き、そのために今どんな派遣先を選び、どんなスキルを身につけるのか──そこまで考えて選べるかどうかで、後悔するかどうかは大きく変わってきます。

【理由4】周囲から派遣という立場で軽視されるから

どんなに真面目に仕事をしても、「派遣さんだから」と見えない線を引かれる──。そんな空気を、派遣として働く人の多くが一度は肌で感じています。

職場の中で仕事そのものに大きな差がなくても、「正社員」と「派遣社員」というラベルの違いだけで、扱いや接し方が変わることがあります。ある調査では、派遣社員の不満として「軽く扱われる」「意見が通りづらい」「名前ではなく“派遣さん”と呼ばれる」などの声が上位に挙げられており、この点が転職後に最も後悔されやすい理由のひとつとなっています。

たとえば、職場改善の提案を思い切って口にしてみたら、「そういうのは社員から言って」とあしらわれたり。会議に出ても発言の機会が与えられず、ただの“補助的な存在”にされてしまったり。これは単なる被害妄想ではなく、多くの派遣社員が直面する現実です。

こうした見えない壁は、やる気や自尊心を少しずつ削っていきます。派遣という働き方を選ぶ以上、仕事内容よりも「どう扱われるか」という視点も事前に知っておくべきかもしれません。企業のカルチャーや受け入れ体制によって大きく差が出る部分だからこそ、派遣先選びは慎重に行う必要があります。

【理由5】年齢が上がるほど再転職が難しくなるから

派遣という働き方を選ぶにあたって、「この先もずっとこの働き方でいいのだろうか」と、不安になる瞬間があるかもしれません。特に年齢が上がってきたとき、その不安は現実味を帯びて迫ってきます。

実際、転職市場では年齢が一つのハードルになることは避けられません。30代後半から40代、そして50代へと進むにつれて、「この人を一から育てるか」「先が長い人材か」という視点で企業は見てきます※。マイナビ転職のQ&Aでは、派遣歴3年・39歳の求職者に対し、「正社員採用は難しい」という企業の回答が紹介されていました。さらに東洋経済の記事でも、50歳を超えると選べる仕事が一気に狭まりやすいという実情が述べられています。※

これはスキルや経験があっても、「年齢」でふるい落とされてしまうケースがあるという現実です。たとえば、派遣で事務をしていた50代の方が、「もっと責任ある仕事がしたい」と正社員を目指したものの、書類の時点で通らないことが続いた……という声も聞こえてきます。

もちろん、すべての企業が年齢を重視しているわけではありませんが、「年齢+派遣歴」という組み合わせは、再スタートを切る際に大きな足かせになる可能性があるのです。

だからこそ、派遣に切り替えるときには、「もし将来もう一度転職したくなったら、自分はどう動けるか?」という視点を持っておくことが大切です。スキルの棚卸しをしておく、実績を見える形で残しておく、資格を取っておく。そんな準備が、いざというときの自分を守ってくれます。

後悔してない?正社員から派遣社員になってよかったこと

正社員から派遣社員に転職して「後悔した」という声がある一方で、実は「転職してよかった」と感じている人も少なくありません。

勤務条件を自由に選べることや、仕事とプライベートの両立がしやすくなることなど、正社員時代には得られなかったメリットが見えてくるためです。

この「後悔してない?正社員から派遣社員になってよかったこと」では、実際に転職してプラスに感じた体験談や具体的なポイントを整理して紹介します。

どんなメリットがあるのかを知ることで、転職への見方が変わるかもしれません。

【メリット1】勤務条件を自分で選べるようになった!

「通勤に1時間以上かかるのがきつい」「毎日残業はもう無理」──そんな気持ちを抱えて正社員を辞めた人にとって、派遣社員という働き方は、息がしやすくなる選択肢です。

というのも、派遣の仕事は、勤務地・勤務時間・仕事内容といった条件をあらかじめ提示された中から選べる仕組みになっているからです※。実際、2024年時点で大手派遣会社が掲載している求人には、「週3日OK」「在宅あり」「時短勤務」など、生活スタイルに合わせやすい案件が多く見られます。

たとえば、子育て中の30代女性が「保育園の送迎に合わせて、9時~16時で残業なし」の勤務条件を優先して、派遣に切り替えたという声もあります。実際、派遣ではこのような細かな条件で働ける求人が見つかりやすく、働く側の希望が通りやすい傾向にあります。

正社員では難しかった「暮らしに合わせた働き方」を実現できることが、派遣という選択が後悔ではなく納得につながったと感じる理由の一つです。

【メリット2】仕事とプライベートを両立しやすくなった!

正社員として働いていた頃は、終業時間があっても実際に帰れるのはいつも遅く、家に着くころにはもうクタクタ。夕飯を作る気力もない、なんて日が続いていませんでしたか?そんな生活に疲れた人が派遣に切り替えてまず感じるのが、「自分の時間が戻ってきた」という実感です。

マンパワーグループの調査によれば、「派遣という働き方に満足している」と答えた人が57.3%。その中でも特に多かった理由が、勤務時間や勤務地など、働く条件を自分の希望に合わせて選べることでした。

たとえば、「週3日だけ」「15時まで勤務」「家から30分以内」といった条件で探すことも可能。実際に子育て中の女性の間では、保育園の送り迎えや家庭との両立を優先した柔軟な働き方が増えています。

正社員時代のように“職場に合わせる働き方”ではなく、“生活に働き方を合わせる”ことができる。派遣という選択は、そんな価値観を大切にしたい人にとって、ひとつの確かな答えになり得ます。

【メリット3】人間関係や職場のストレスが減った!

「毎日、会社に行くのがつらかった」。

正社員として働いていたとき、多くの人がそう口にします。業務の内容よりも、実は人間関係のストレスに悩まされていたというケースが少なくありません。

派遣社員に転職してから、「必要以上に職場の空気を読まなくてよくなった」と感じた人はとても多いようです。実際、マイナビが実施した『派遣社員の意識・就労実態調査』(2025年)では、回答者の70%以上が「現在の働き方に満足している」と答えています。その理由の上位に「人間関係のストレスが少ない」「責任が限定されている」が含まれているのは興味深いポイントです。

正社員であれば、異動や上司との相性に振り回されることもあるでしょう。けれど、派遣社員という働き方では、求められる役割が明確で、その範囲内で淡々と仕事に集中できる環境が整っている場合が多いのです。

もちろん、すべての派遣先が理想的というわけではありません。でも、職場の人間関係に疲れ果てていたなら、一度リセットする意味でも派遣という選択肢を検討してみる価値はあるのではないでしょうか。

【メリット4】仕事の責任感や重圧から解放された!

正社員で働いていた頃は、日々の業務だけでなく部署全体の数字やチームの進捗、上司からの期待など、重くのしかかるプレッシャーに押しつぶされそうになっていた、という人も少なくありません。派遣という働き方に切り替えて、その重圧からやっと解き放たれた──そんな声が実際に多く聞かれます。

たとえば、厚生労働省の調査によれば、正社員の方が派遣社員よりも「精神的負担」を感じている割合が高いというデータがあります。責任の重さが、日々の心身の疲れにつながっていたのは間違いなさそうです。※どれくらい?

もちろん、派遣になったからといって仕事がラクになるわけではありませんが、「担当業務がはっきりしている」「マネジメントを任されない」「就業時間外の対応が減る」など、精神的なゆとりが生まれる場面は確実に増えます。

プレッシャーの少ない職場環境を求めているなら、派遣という選択肢は、気持ちに余裕を取り戻す大きな一歩になるかもしれません。自分を追い込みすぎていた人ほど、その変化を実感できるはずです。

【メリット5】さまざまな会社で経験を積める機会が増えた!

派遣という働き方を選んだ理由として、「いろんな会社での経験を積みたかった」と話す人は意外に多いです。特に、正社員では難しかった“職場を選び直す”という行為が、派遣なら比較的しやすいのが大きな特徴です。

実際、マイナビの調査でも、派遣経験者のうち約40%が「異なる業界や職種を経験できた」と回答しています。これは正社員ではなかなか得られない、貴重なキャリアの広がり方と言えます※。

もちろん、環境が変わるたびに覚えることも多く、最初は気疲れする場面もあるかもしれません。ただそれ以上に、業務の幅が広がったり、自分に合う職場の傾向が見えてきたりと、「転職しながら学ぶ」という実感が得られることは大きなメリットです。

どこに行ってもやっていける自信がついた。そう語る人が増えているのは、この柔軟な働き方ならではの収穫かもしれません。

後悔すると言われても正社員より派遣のほうが向いている人の特徴

「正社員から派遣への転職は後悔する」とよく耳にしますが、実際には派遣という働き方が自分に合っていて満足している人も少なくありません。

ライフスタイルや価値観によっては、正社員より派遣のほうが向いているケースもあります。

ここでは、後悔すると言われても正社員より派遣のほうが向いている人の特徴をご紹介します。

どんな人が派遣での働き方に向いているかを整理し、転職前の判断材料に役立つ情報をまとめます。

【特徴1】自由な働き方を優先したい人

「フルタイムで縛られるのはしんどい」「もっと自分の時間を大切にしたい」──そんな声をよく耳にします。実際、自由な働き方を叶えたいと考える人にとって、正社員よりも派遣という働き方のほうがしっくりくるケースは少なくありません。

マイナビが行った調査によると、派遣で働く人の約7割が現在の働き方に満足していると答えており、その理由の一つが「勤務時間や働く場所の選択肢が広がったから」と回答。また、公益財団法人連合総合生活開発研究所の報告書※でも、派遣社員は仕事の裁量こそ限定的な一方で、希望する勤務条件に柔軟に対応してもらえるケースが多いことが示されています(出典:参考文献)。

たとえば、午前中だけ働きたい主婦の方や、週4日勤務で副業に時間を使いたい方が、「派遣だからこそ実現できた」と語っているのをよく見かけます。正社員だとどうしても、残業や会議、転勤の話が避けづらくなるもの。けれど派遣の場合、最初から条件交渉が前提になるため、自分の生活リズムに合わせた仕事を探しやすいのが大きな強みです。

生活に合わせて働き方を変えたい、縛られた働き方に疲れた──そんな思いがあるなら、派遣という選択は決して妥協ではありません。むしろ、望んでいた暮らしを取り戻すきっかけになるかもしれません。

【特徴2】家庭や趣味の時間を確保したい人

「家に帰って寝るだけの毎日」「子どもとまともに会話したのはいつだろう」──そんなふうに感じていた人にとって、派遣という働き方は、まるで時間が戻ってきたかのような感覚を与えてくれることがあります。

日本人材派遣協会の調査によると、30代の派遣社員のうち44.4%が「働く時間や時間帯を選べるから」と答えており、勤務条件の柔軟性が選択理由の上位に挙げられています※。エン・ジャパンの調査でも、「勤務地・時間・曜日を選べる」が派遣の最大のメリットとされています。※

実際、子育て中のママや介護と両立したい人、趣味や副業に時間を使いたい人にとって、勤務時間を自分で選べるという点は、正社員ではなかなか得られない自由です。

もちろん、時には妥協が必要になることもあります。しかし、「毎朝ぎゅうぎゅうの通勤電車に乗らなくていい」「夕方には習い事に間に合う」──そんな働き方を手に入れたい人にとって、派遣という選択肢は決して後悔に繋がるものではありません。

【特徴3】ストレスの少ない環境を求める人

もし、正社員として働いていたときに「人間関係で気疲れした」「理不尽な期待に振り回された」「心に余裕がなかった」と感じていたなら、派遣という働き方が気持ちをずっと楽にしてくれるかもしれません。

実際、マイナビの派遣社員の意識・就労実態調査(2024年)では、派遣社員の約8割が「人間関係の悩みが少ない」と答えています。しかも、正社員との比較で47.4ポイントもの差が出ているという事実も見逃せません。さらに「時間に余裕が持てる」という回答では45ポイントの開きがあり、毎日を慌ただしく消耗するような働き方から抜け出せた人が多いとわかります。

厚生労働省が公開している資料でも、派遣労働者のメンタルヘルスについて触れており、「上司や同僚との関係」がストレス要因のひとつとして繰り返し挙げられています※。

もちろん、すべての派遣先がストレスフリーとは限りません。ただ、精神的に追い詰められがちな人や、自分のペースを大切にしたい人にとっては、派遣の働き方は「逃げ」ではなく、むしろ「自分を守る選択肢」と言えるのではないでしょうか。

【特徴4】人間関係の煩わしさを避けたい人

職場の人間関係にストレスを感じていたなら、派遣という働き方は案外、心に余白をくれる選択肢かもしれません。正社員だと「付き合いも仕事のうち」とされがちで、気が進まなくても飲み会に参加したり、上司や同僚との距離感に悩んだり…。業務とは無関係な“気疲れ”が日々の中に潜んでいます。

一方で、派遣社員は立場上、組織の中心から一歩引いた関係になりやすく、過度な関わりを求められることが少なくなります。実際にマイナビが行った調査では、「派遣の方が人間関係に悩みにくい」と答えた割合に47.4ポイントの差が出ており、多くの人がそのメリットを感じているようです。

さらにエン・ジャパンのレポート(ユーザー1800人に聞いた「働きやすい職場」調査)でも、「派遣先を選ぶ決め手」の1位は「人間関係が良好な職場」であると報告されています。

もちろん、派遣でも人間関係が完全に無くなるわけではありません。ただ、正社員ほどの深い付き合いを求められることは少なく、「業務に集中できる関係性」で働きたい人にとっては、後悔のない選択肢になりうるのではないでしょうか。

【特徴5】大きな責任より定められた仕事が好みな人

正社員として働いていると、業務のほかに部下の育成、会議の準備、突発的なトラブル対応など、表に見えない仕事を抱え込むことが少なくありません。責任が重いポジションに疲れてしまった人にとって、派遣社員という働き方は「決められた業務だけに集中できる」という安心感があります。

実際、人材サービス総合研究所が行った派遣社員WEBアンケート調査結果(2024年度)では、「業務範囲が明確で限定的になった」と答える人が一定数存在します※(一定数とは?)。余計な業務を任されにくい環境は、精神的な負担を軽くし、仕事に対するモチベーションを保ちやすくする効果があるのです。

もちろん、仕事の幅が狭い分、スキルアップの機会が減る可能性はありますが、「自分の生活を優先したい」「大きな責任を背負うことに疲れた」という人にとっては、派遣という選択が後悔の少ない働き方につながるでしょう。

正社員から派遣社員になって後悔しないための事前対策5選

正社員から派遣社員への転職を検討する際、「後悔するかもしれない」と不安になる方は少なくありません。

働き方や収入、キャリアへの影響など、変化の幅が大きいからこそ慎重な準備が必要です。

そこで、後悔を避けるために押さえておきたい「正社員から派遣社員になって後悔しないための事前対策5選」を紹介します。

転職前に知っておくべき具体的なポイントを見ていきましょう。

【対策1】自分の働き方の優先順位を明確にする

派遣という働き方を選ぶ前に、まず「自分が何を最も重視したいか」を整理しておくことが、後悔しない転職の第一歩です。自由度が高い派遣の仕事は、条件が曖昧なままだと本来の希望から外れてしまうことが少なくありません。

実際、エン派遣が行った調査(回答者1,400人)では、希望通りのタイミングで働き始めるために「自分の希望や優先順位を明確にする」と答えた人が全体の60%に上りました。多くの人が、事前に“自分の軸”を持つことの重要性を実感しているといえます。

例えば「残業がない」「通勤時間は30分以内」「休日の取りやすさ」など、譲れない条件を3つほど挙げておくと、求人選びや面談で迷うことがなくなります。別のアンケート調査でも、派遣社員の68.5%が「休日の取りやすさ」を重視しているという調査結果があり、実際に優先順位を整理して動く人が多いことがわかります。

こうして“働き方の優先順位”を先に決めておくことで、希望に沿った条件で仕事を探しやすくなり、転職後に「思っていたのと違う」と感じるリスクを減らせます。

【対策2】派遣会社を複数登録して選択肢を広げる

派遣社員として後悔の少ない選択をするには、最初の段階で“情報の幅”を確保しておくことが肝心です。特におすすめしたいのが、派遣会社を一社だけに絞らず、2~3社ほど並行して登録しておくこと。なぜなら、各社が扱っている求人や業種、強みは大きく異なるからです。

たとえば、事務系に強いA社では見つからなかった案件が、エンジニア職に強いB社では条件付きで募集されている、といったことは日常茶飯事です。実際、スタッフサービスなどの大手派遣会社でも、複数登録によって仕事の選択肢が広がると明言されています。登録に料金がかかることもなく、スキマ時間に比較・検討できるのも大きなメリットです。

さらに重要なのは、同じ求人でも派遣会社ごとに時給や福利厚生、更新条件が異なるケースがある点。比較できる立場にいるだけで、より納得感のある働き方が実現しやすくなります。

「正社員から派遣に転職して後悔したくない」と感じているなら、複数の派遣会社に登録しておくことは、もはや“保険”ではなく、“前提条件”といっても過言ではありません。

【対策3】契約書内容や更新条件を事前に確認する

派遣社員として働く前に、契約書の中身を細かくチェックするのは、正直なところ面倒に感じるかもしれません。でも、これを怠ると、あとで「こんなはずじゃなかった」と感じる可能性が一気に高まります。

たとえば、契約更新のタイミングや回数の制限、契約満了の通知ルールなど、働くうえで知っておきたい情報は、ほぼすべて契約書に記載されています。特に重要なのが、契約更新に関する条項。労働者派遣法では、派遣期間の上限は原則3年までと定められており、更新の都度、派遣先との合意が必要になります※。

そして、契約終了が近づいた際には、派遣元企業から30日前までに通知を受けることが義務付けられています。※

このような基本事項を把握しておかないと、「更新されると思っていたのに打ち切られた」「希望と違う条件で継続になった」といった行き違いが起きかねません。契約内容に納得して働き始めるかどうかは、自分の目と意志で決めるべきです。

面倒でも、一つひとつの文言に目を通し、不明点は派遣会社に確認してクリアにする。その地道な確認作業こそが、転職後の後悔を防ぐ最も堅実な方法と言えるでしょう。

【対策4】収入の変動リスクを見越して資金計画を立てる

「派遣に変わって後悔した…」と話す人の多くが直面するのが、収入の不安定さです。派遣は原則として契約更新制で、更新されなければ収入が突然ゼロになるリスクすらあります。正社員と比べて、給与水準が低い傾向にあることも否めません。

だからこそ、派遣に転向する前に考えておきたいのが「お金の備え」です。最低でも3ヶ月分、できれば半年分の生活費を貯めておくと、もし契約が切れても慌てずに行動できます。リクルートスタッフィングなどの大手派遣会社でも、転職前の資金準備は重要なポイントとして挙げられています。

もう一つ意識したいのが、案件選びの軸を「給与」や「継続性」に置くこと。例えば、「長期安定」や「更新率高め」などの記載がある求人は、収入面でも比較的安心です。また、登録時には担当コーディネーターに「途中終了の実績があるか」などを率直に聞いておくのも大事な一手です。

派遣に転職すること自体が悪いわけではありません。ただ、何も準備せずに飛び込むと、金銭的なストレスで判断を誤ることもあります。計画性をもって資金を整える。これが、後悔のない選択につながる土台になります。

※「長期安定」や「更新率高め」の求人

【対策5】派遣先企業の評判や環境を事前にリサーチする

派遣で働くうえで、「どんな会社か分からないまま決める」のは、正直リスクが高すぎます。働き始めてから「思っていたのと違う……」と後悔する人は少なくありません。だからこそ、応募前の段階で、その企業のリアルな姿をしっかりと調べておくことが重要です。

手軽にできるのは、口コミサイトのチェック。たとえば『転職会議』や『ライトハウス(旧・カイシャの評判)』では、実際に働いた人の声が読めます。「人間関係がギスギスしていた」「派遣社員への扱いが丁寧だった」といった具体的な感想が多く寄せられていて、求人票には載っていない“空気感”が垣間見えるでしょう。

また、Googleマップの口コミやX(旧Twitter)検索も意外と役立ちます。クチコミ数が少ない場合は、その企業の業績や業界ニュースを調べてみるのもおすすめです。信頼できる会社かどうか、何年も黒字を維持しているか、パワハラや離職率の高さで話題になっていないか──こうした観点で見ていくと、危ない企業を自然と避けられます。

派遣会社の担当者に「この企業って実際どうですか?」と素直に聞くのも手。派遣スタッフの評判が悪ければ、担当者も正直に教えてくれることが多いです。

事前の情報収集は、転職成功の下地になります。「なんとなく決めた会社で後悔したくない」と思うなら、今できる調査にしっかり時間をかけましょう。

正社員から派遣社員に転職する理由を答える面接対策の実例

正社員から派遣社員への転職では、面接時に理由を問われるケースがほとんどです。

「なぜ正社員からあえて派遣を選ぶのか」といった疑問に対し、相手が納得できる答え方ができなければ、選考で不利になる可能性もあります。

そこで、正社員から派遣社員に転職する理由を答える面接対策の実例をまとめました。

よくある質問に対する答え方の実例を紹介しながら、説得力のある伝え方を解説していきます。

【実例1】家庭との両立を重視した回答例

「これまで正社員として働いてきましたが、出産と育児を機に、働き方を見直す必要があると感じました。正社員のままでは勤務時間が固定されており、子どもの送り迎えや急な体調不良への対応が難しかったためです。派遣社員であれば勤務時間や勤務地を柔軟に選べるため、家庭との両立がしやすくなります。特に貴社の求人は勤務時間に融通が利く点や、子育て中の方も活躍されていると聞いており、安心して働ける環境だと感じました。仕事への責任感は変わらず持ち続け、これまでの経験を活かしつつ、無理のない働き方で安定したパフォーマンスを発揮したいと考えております。」

この回答では、「子育てとの両立」という個人的な事情を前面に出しつつも、「勤務時間に柔軟性がある派遣の特性」や「応募先企業の理解ある環境」を根拠にしています。家庭の事情だけを強調すると「責任感がない」と見られかねないため、「働く意欲」や「職務への責任感」にも必ず触れるようにすると好印象です。

【実例2】キャリアチェンジを目指す回答例

「新卒からずっと営業職として働いてきました。数字を追う日々のなかで、ふと『このまま定年まで走り続けるのか?』と自問するようになったんです。そんな時、人材育成やサポート職に惹かれるようになり、本格的にキャリアを見直そうと思いました。とはいえ、いきなり正社員で未経験職に飛び込むのは現実的に難しく、派遣という選択肢に可能性を感じたんです。派遣なら未経験からでも挑戦できる環境があることを知り、ステップアップの一環として決断しました。今後は現場経験を重ねながら、最終的には人材開発に携わる専門職として道を築いていきたいと考えています。」

このような回答では、「逃げ」ではなく「前進」のための派遣選択であることが伝わるかが大切です。今までの経験を無駄にせず、どう新たなキャリアに活かしていくかを具体的に語ると、相手も納得しやすくなります。また、「派遣=一時しのぎ」ではなく、自分なりのビジョンを持って行動していることを印象づける言葉選びが重要です。

【実例3】前職の不満を建設的に説明する回答例

「前職では長年、営業部で新規顧客の開拓を担当してきました。成果を求められる環境は自分を鍛える良い経験でしたが、近年はノルマ達成に追われる毎日で、お客様一人ひとりに時間を割けなくなっていました。もっとじっくり人と向き合い、長期的な信頼関係を築ける働き方を探したいという思いが強くなり、派遣という形でキャリアチェンジを決断しました。派遣社員としてであれば、営業スキルを活かしつつ、新しい業界で顧客サポートや企画業務に挑戦できる環境があります。現状を変えるために、経験を前向きに活かしながら成長していきたいと考えています。」

前職への不満はネガティブに伝えるのではなく、「問題点を認識し、その改善策として転職を選んだ」という前向きな理由に置き換えることが大切です。成果や学びに触れつつ、その経験をどう次に活かすかを具体的に説明すると、面接官に「しっかり考えて行動している人」という印象を与えられます。また、批判的な言葉や過剰な自己卑下を避けることが、信頼感につながります。

正社員から派遣社員に転職する人におすすめの派遣会社3選

正社員から派遣社員への転職を考える際、派遣会社選びは今後の働き方やキャリア形成に直結する重要なポイントです。

実際、登録する派遣会社によって、紹介される業種・職種・福利厚生などが大きく異なるため、自分の希望条件を整理し、複数社を比較検討することが大切です。

そこで、正社員から派遣社員に転職する人におすすめの派遣会社3選を厳選してご紹介します。

ここで紹介する3社のように、豊富な求人案件やサポート体制の整った会社を選ぶことが、後悔しない転職につながります。

各社の特徴を知ったうえで、自分に合う環境を見極めることが成功のカギになります。

【おすすめ1】ランスタッド

正社員から派遣への転職を考えている方にとって、派遣会社選びは「後悔しないための土台」と言っても過言ではありません。

その点で、ランスタッドはかなり頼れる存在です。国内ではまだ知名度がそこまで高くないかもしれませんが、実は世界39か国に展開するグローバルな人材サービス会社。派遣会社の中でも、きめ細かいサポート体制と多様な働き方の提案で、多くの利用者から評価を集めています。

特に注目したいのが「働き方の柔軟性」です。フルタイムから短時間勤務、さらには扶養内OKの仕事まで揃っており、「ライフスタイルを軸に仕事を選びたい」と考える人にぴったり。また、転職や派遣の経験が浅い人に対しても、コーディネーターが丁寧に希望をヒアリングしながら案件を提案してくれるので、安心してスタートできます。

もちろん、「求人数が他社より少ない時期がある」といった声もゼロではありません。でも、それはどの派遣会社にもある話。むしろ、それ以上に「自分の希望をちゃんと聞いてくれた」「最初の面談から親身だった」といった実体験ベースの声が目立ちます。

働き方に迷いがある方、あるいは「自分らしく働く」を大事にしたい方にとって、ランスタッドは一度は相談してみる価値のある派遣会社です。

【おすすめ2】テンプスタッフ

派遣で働こうと思ったとき、多くの人が候補に挙げるのが「テンプスタッフ」です。知名度だけでなく、求人の豊富さやサポートの手厚さが評価されている理由です。

たとえば一般事務の求人では、時給1,403円(2024年6月時点)という数字が出ています。月収にすると24万円前後になり、派遣としては比較的安定した収入を見込める部類に入るでしょう。

さらに注目すべきなのが、未経験OKの求人が多い点。異業種からの転職やブランク明けでも安心してスタートできます。登録者には、スキルアップ講座やキャリア相談、産休・育休制度、有給休暇といった福利厚生が提供されており、特に女性からの支持が高いのも頷けます。

ただし、ネット上には「希望条件に合う求人がなかなか紹介されない」「連絡が来るまでに時間がかかった」という声もあり、登録者が多い分、対応にばらつきが出る可能性もあるようです。

それでも、派遣がはじめての方にとって、求人の選択肢が多く、制度も整っているテンプスタッフは心強い存在です。最初の一歩を踏み出すにはうってつけの派遣会社だと言えるでしょう。

【おすすめ3】パーソルクロステクノロジー

技術職に転職したいと考えているなら、パーソルクロステクノロジーは見逃せません。理由はシンプルで、「技術領域に特化した手厚い支援」が受けられるからです。

この派遣会社はITエンジニアや機電エンジニアなど、専門スキルを活かせる求人を豊富に揃えているのが特徴です。例えば、有給休暇や社会保険などの制度はもちろん、スキルアップのための研修制度やキャリア相談も整っており、将来を見据えて働きたい方には非常に心強い環境が用意されています。

実際、「紹介予定派遣」の求人も多く、派遣からスタートしてゆくゆくは正社員登用を目指すという流れも十分に狙えます。ただし、口コミを見ると「未経験者にはややハードルが高い」といった声も散見されるため、全くの未経験からのスタートには不安が残るかもしれません。

それでも、すでにスキルを持っていて「技術職に集中して働きたい」「派遣でも納得の条件で働きたい」と考えている方にとっては、パーソルクロステクノロジーは非常に現実的かつ有力な選択肢になり得ます。

【Q&A】後悔する?正社員から派遣社員への転職に関するよくある質問

最後に後悔する?正社員から派遣社員への転職に関するよくある質問をまとめました。

年代別のポイントや、転職前に知っておきたい注意点などを具体的に解説していきます。自分の状況と照らし合わせながら、不安や迷いをひとつずつクリアにしていきましょう。

【質問1】20代で正社員から派遣に変えるのはあり?

20代で正社員から派遣社員への転向を考えることに、不安を抱く人は少なくありません。しかし結論から言えば、選択肢としては十分に「あり」です。

なぜなら、20代はキャリアの方向性を柔軟に修正できる時期だからです。例えば、株式会社リクルートの調査によると、20代の転職経験者のうち約4割が「働き方の見直し」を理由に転職を決意しています。派遣という働き方を通じて、希望の働き方や職場環境を実地で試すことができるのは大きなメリットです。正社員でのキャリア形成に悩みを感じている場合、派遣という働き方で視野を広げることは、むしろ積極的な選択といえます。※

【質問2】30代で正社員から派遣にしても後悔しない?

30代での転職は「安定」と「柔軟性」の間で揺れる時期。正社員から派遣への転向を「後悔しないか」と考えるのは自然ですが、一概にネガティブな決断とは言えません。

※たとえば、パーソル総合研究所の調査では、30代の派遣経験者の約6割が「自分に合った働き方ができた」と回答しています。とくに育児や介護などライフイベントとの両立を求める人にとっては、派遣のほうが柔軟に対応しやすい傾向があります。もちろん収入面での不安はありますが、ライフスタイルや価値観を優先する働き方が後悔のない道につながる場合もあります。

【質問3】40代で正社員から派遣にしても大丈夫?

40代で正社員から派遣への転向を考える際には、将来の安定性とキャリアの柔軟性の両方を見極める必要があります。ただし「大丈夫か」という問いに対しては、「状況による」と言わざるを得ません。

※実際に、厚生労働省の調査では、40代で派遣として働く人の多くが「希望する働き方が叶った」と回答しています。一方で、再転職の難易度が上がる年代でもあり、職種やスキルに応じたマッチングが重要になります。ITや専門事務などの需要がある分野では、年齢を問わず活躍の場が広がっています。自身のスキルと市場ニーズを丁寧に照らし合わせることが、安心して踏み出す第一歩です。

【質問4】40代で派遣はやめたほうがいいって本当?

「40代で派遣はやめたほうがいい」といった言葉を耳にすると、不安になるかもしれません。ただ、この意見は一部の声に過ぎません。

たしかに、年齢とともに選べる職種や時給に差が出るケースはありますが、それが「やめるべき理由」になるとは限りません。※実際、2024年のパーソルの調査では、40代で派遣として働く人の半数以上が「ワークライフバランスの改善」を実感したと回答しています。大切なのは、目的を見失わないこと。短期的な働き方の選択ではなく、中長期の生活設計に合うかどうかを軸に判断すれば、「やめたほうがいい」という言葉に流される必要はありません。

【質問5】50代で正社員から派遣へ転職は非現実的?

50代での転職は確かにハードルが高くなりますが、「非現実的」と切り捨てるのは早計です。

※実際、総務省の労働力調査では、派遣社員として働く50代は年々増加傾向にあり、特に事務・介護・販売職での需要が高まっています。また、長年の社会人経験を評価し、教育係やマネジメント補佐として起用されるケースも少なくありません。雇用の安定性や収入面では注意が必要ですが、自分のペースで働きたいというニーズにマッチすれば、むしろ納得感のある働き方になる可能性もあります。年齢を重ねたからこそ選べる派遣という形も、確かに存在します。

【質問6】同じ会社で正社員から派遣に切り替えはできる?

直後の切り替えは原則難しいです。

※退職した労働者を離職後1年以内に元の事業所が派遣で受け入れることは、労働者派遣法で禁止されています。例外もありますが実務上はハードルが高めです。1年超かつ適法な枠組みを確認したうえで、派遣元と派遣先の双方に条件を必ず確認してください。

まとめ:正社員から派遣社員への転職は後悔した理由と向いている人の特徴

正社員から派遣社員への転職は後悔した理由と向いている人の特徴をまとめてきました。

改めて、「正社員から派遣社員に転職して後悔した理由」と「派遣社員になってよかったこと」をまとめると、

正社員から派遣社員に転職して後悔した理由 正社員から派遣社員になってよかったこと
  • 給与が正社員より低く感じるから
  • 契約更新の不安に常につきまとうから
  • キャリアの見通しが描きづらいから
  • 周囲から派遣という立場で軽視されるから
  • 年齢が上がるほど再転職が難しくなるから
  • 勤務条件を自分で選べるようになった!
  • 仕事とプライベートを両立しやすくなった!
  • 人間関係や職場のストレスが減った!
  • 仕事の責任感や重圧から解放された!
  • さまざまな会社で経験を積める機会が増えた!

そして、正社員から派遣に転職して後悔しないための5つのポイントもまとめると、

正社員から派遣に転職して後悔しないための5つのポイント

  • 派遣は収入が下がることが多く、金銭面でのギャップに後悔する人が多い
  • 契約期間が限られているため、常に不安を抱えやすい働き方である
  • キャリア形成が難しく、将来のビジョンを描きにくいという声もある
  • 一方で、自由な働き方やワークライフバランスの実現には向いている
  • 転職後の後悔を避けるには、事前の情報収集と派遣会社選びがカギになる

「正社員から派遣社員への転職は後悔するのか否か」というテーマは、転職を検討する上で非常に多くの人が直面するリアルな悩みです。

金銭面や安定性だけでなく、自分の価値観やライフスタイルに合った働き方を選べているかが重要です。

後悔しないためには、情報に振り回されるのではなく、自分自身の軸を明確にして、納得のいく選択をすることが最も大切です。